持ち歩きたい、この良質さ。
街を飛び交う無線の嵐、今やあらゆるデバイスがワイヤレスにつながる時代です。イヤホン業界も例に漏れず、Bluetoothモデルのラインナップがどんどん増え続けています。人類がケーブルスパゲッティを克服できる時もそう遠くないはず。
そんな折り、DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERSを採用したオーディオテクニカ(Audio-Technica)のイヤホン「ATH-CKR100」と同じSR(Sound Reality)シリーズに、待望のワイヤレスイヤホンがやってきました。それが「ATH-CKR75BT」、BTはBluetoothのBTですね。
SRシリーズにもワイヤレスなヘッドホンは既にありましたが、意外にもイヤホンは今回が初めて。果たして音楽体験はどこまで手軽に、そして良質になるのか。実際に数日間ATH-CKR75BTと共に過ごしてみた、その感想をお伝えします。
ダイナミックレンジや音場も豊かで、すごく自然に聴けるなというのがファーストインプレッションでした。ボーカルの鮮明さもバツグン。低音や高音が強調されているものって聴き始めは刺激的で良いんですけど、ずっと聴いているとどうも疲れてしまうんですよね。
そこへいくとATH-CKR75BTは、非常にフラットでありながら、ピアノの高音やアコースティックギターの繊細なアルペジオも音が切れるところまでしっかり追える。音の解像度が高いとも表現できますし、これは長時間聴いてても疲れない、むしろ聴いていたいな、と。
ワイヤレスの手軽さもあって、有線のときよりも音楽を聴く心的ハードルがグっと下がったように感じます。加えてこの自然なサウンドですから、良いですね。聴きたさを後押ししてくれるイヤホンです。
ではスペックを見ていきましょう。ドライバーはダイナミック型のφ11.8mm、不要共振を抑える強靭アルミハウジング仕様。再生周波数帯域(低域から高域までどのくらいの幅で音が出るか)は5Hz〜40,000Hzで、出力音圧レベル(スピーカーの能率を表す。値が大きいほど小さい入力で大きな音が出せる)は108dB/mWです。
約3時間の充電で連続再生は約7時間、待ち受け状態だと約200時間もちます。対応コーデックはSBC、AAC、そしてBluetooth環境で高音質を実現するaptXの3つ。
スペック以上に伝えたいコトがあります。それは着け心地と、本体の感触の良さです。
ワイヤレスイヤホンはプレーヤーとつながっていないので、着けているときに落としてしまわないかという心配がつきまといますが、ATH-CKR75BTは落下防止に役立つクリップがあり、襟元に固定できます。
17.8gという絶妙な軽さと頑丈さを感じるケーブルは心地いい存在感がありますよ。アルミ製のハウジング部は手触りも特別感があって良し。堅牢性を感じますし、指先に感じるこの手触りは体験をちょっぴりハイグレードにしてくれてる気がします。イイモノ着けてるぜ感、とでもいいましょうか。
あと、耳に着けずにだらんと首にかけてカッコいいデザインなのもワイヤレスイヤホンに望みたいことの1つ。メタリックな質感はそんな場面でも威力を発揮してくれますよ。
カバンのミニポケットからサッと取り出して(もちろん絡まない!)、iPhoneのBluetoothをオン&ペアリング。好きなミュージックを流したら、本体のリモコンやiPhoneで音量を調整。この一連のシームレス体験こそ、ワイヤレスの醍醐味。未体験の方にはぜひ体験してほしいですね。
ATH-CKR75BTのカラーバリエーションはグラファイトブラック(BK)、シャンパンゴールド(CG)、ガンメタリック(GM)、ブリリアントレッド(RD)の4種類。アルミ製ゆえ、その色映えも独特です。市場予想価格は1万5000円前後。もしこれからワイヤレスイヤホンデビューを考えているなら、コストパフォーマンスに優れた1台としてATH-CKR75BTは激しくオススメ。音質を妥協せずワイヤレスの恩恵にあやかりたいという方は、お近くの試聴コーナーへGo!
ラインナップとして、4色展開の「ATH-CKR55BT」(左:市場予想価格1万円前後)、6色展開の「ATH-CKR35BT」(右:市場予想価格6000円前後)も用意されています。アルミ製のハウジングではないですが、より手軽にワイヤレスイヤホンを楽しめるモデルになっているので、聴き比べてみるのをおすすめします。
Photo: 小原啓樹Image: Audio-TechnicaSource: Audio-Technica ATH-CKR75BT、ATH-CKR55BT、ATH-CKR35BT
(ヤマダユウス型)