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中国LeEcoが米上陸。テスラ対抗EVカーは事故と渋滞で発表に間に合わず

書かれた 沿って mobilephonebrand

ドライアイスを掻き分けて現れた『中国のイーロン・マスク』ことJia Yueting(賈躍亭)氏は、米国初のプレスイベントで開口一番、こう申し訳なさそうに報告しました。

Jia氏が2004年北京で創業した「LeEco(楽視)」は、有料動画配信を核に急成長中の新興ネット企業です。4月にはシリコンバレーの米Yahoo!からオフィスの一角を購入し、7月にはVizio(コストコの入り口にド~ンとある工場直結の廉価TVメーカー)を20億ドルで買収、米国進出に本腰を入れています。

11月2日のスマホ&TVの米国オンライン発売を前に、10月19日にはサンフランシスコに1,700人の社員と報道陣を集めて米国初のプレスイベント「Innovation Hangar(イノベーション格納庫)」を開き、これまでに開発しまくったスマートフォン、スマートTV、スマートカー、VR、スマート自転車を一堂に発表しました。冒頭LeEco米支社幹部が「これだけまとめて発表する企業も珍しいはずだ」と言ってますけど、まったく呆れるぐらいの品数です!

中でも注目を集めたのが、テスラ対抗の自動運転EVカー「LeSee」です。テスラとグーグルの地元を会場に選んでの発表ということで期待されたのですが…あいにく実働シーンは披露できませんでした…。

ロイターがそのまま「車は動かなかった」と大見出しで伝えると(写真上)、慌てて広報から「ロンドンの『トランスフォーマー5』のロケに駆り出されていて間に合わなかっただけだ」と修正依頼が入ったようですが…。

え? トランスフォーマーって…そんなにカッコいいの?と今思ったみなさまのために録画を貼っておきますね。

Jia氏登壇は1:20:25から

うん、カッコいいですねー。動画は専業とあって、プロモ動画もとにかくカッコいいです。天使の翼がシャッキーン!

さて、気になる理由ですが、間に合わなかった辺りの事情をJia氏はこうイベントで説明していますよ。

いやあ、さすが波に乗るビリオネア。余裕ですね。4月の北京のステージではスマホによる遠隔操作で駐車もこなしてますしね。なんか同時通訳もめちゃうまで、中国語は英語と語順が同じだから、こういうときいいよなーと妙なところで感心してしまいました。

…あ、すみません、肝心の車ですが、このあとの会場展示には間に合ったようですよ? 「RoadShow」の記者さんが動画でこう伝えています。

中国LeEcoが米上陸。テスラ対抗EVカーは事故と渋滞で発表に間に合わず

結局動くのか動かないのかはよくわかりませんでした。同社はこのクルマをシェアリングカーとして売り、中国のスモッグを解消したい考えです。開発はLAの子会社の電気自動車会社「Faraday Future」との戦略提携で進めています。最前列で発表を見守っているイタリア人が何度も大写しになっていますが、こちらはFaraday社チーフ・ブランド・オフィサーのマルコ・マティアッチ氏(動画の1:28:45-)。フェラーリのアジアと北米のCEOを経て、Faradayに採用された同社の看板ですね。

「例のこと発表していいかな?」と聞かれると、マティアッチ氏は首を横に振りましたが、Jia氏は「やっぱり言う。量産モデルは年明けのベガスのCESで出すぞ!」と発表し、大きな拍手を浴びました。

なぜ動かない、動かないと言われるのか?

過去の経緯を知らないと、ロイターのタイトルはちょっといじわるに感じるかもしれませんけど、LeEcoは今年のCESでも「発表するぞ!」と予告しておきながら間に合わず、にわかごしらえの動かないロケットのようなスーパーカー「FFZERO1」(動画では走っていますけど、動きません)を出品した過去があるのです。

その経緯を、The Guardianはこう伝えています。

ソースは、辞めたFaraday Future元幹部ということです。なんでもチーフアーキテクトでバッテリー特許所有者であるPorter Harris氏が辞め、社内に混乱が生じたのだとか。昨年11月にはコミュニケーション部門のトップも辞め、退社理由を公開(肝心の理由はすべて黒塗り)する珍事もありました。

ここ数カ月で法務、財務、戦略、広報、政策担当部門などのトップが6人辞めたほか、ネバダ州から3億3000万ドルの補助金を確保して建設中の工場(総工費10億ドル)も、その半分を請け負う建設会社への支払いが2100万ドル(約22億円)滞って揉めている模様です。

しかしまあ、辞める幹部を上回るスピードで引き抜いているみたいだし、一般道でテスト走行中の試作車らしきものも9月ぐらいから目撃されています。今度こそ動くところを見せてほしいですね!

スマホは高スペック×激安プライス

ちなみに11月米国発売のスマホはAndroid 6.0対応の「LePro 3」と「Le S3」の2つです。どちらもアンロックなのでT-Mobile、AT&T、MetroPCS、Cricket Wirelessで使えます。

「LePro 3」は5.5インチ、フルHD液晶、デュアルステレオスピーカー、Snapdragon 821、RAM4GB、4K動画撮影対応の1600万画素カメラ、800万画素の前面カメラ、容量64GB、メタルボディ、指紋認証センサ、クアルコムQuick Charge 3.0搭載、ヘッドフォンジャックはなくて充電はUSB-Cです。値段400ドル。2日の時限セールで買うと100ドル割引きになります。このスペックで300ドルは破格値です。

「Le S3」(米国以外の「Le 2」に近いモデル) は同上で、プロセッサはSnapdragon 652、RAM3GB、容量32GB、値段250ドル。2日の時限セールで買うと100ドル割引きになります。このスペックで150ドルはありえない破格値です。どっちもLeEcoのエコシステム直結のEUIスキンが入るので、それを嫌う人はいそうですが…。ほかにもハイエンドスマホを激安で売る中国メーカーにはOnePlusもありますけど、Xiaomiが北米進出前なので、これは楽しみですねー。

LeEcoは現在、時価総額130億ドル(約1兆3600億円)。この得体の知れない勢いを畏怖すべし。

関連記事: 新興EVメーカーFaraday Futureが発表の「FFZERO1」は1,000馬力!

source: Reuters, Gizmodo

(satomi)