先週、次期iPhone 13(仮)では地球低軌道(LEO)衛星通信機能が搭載され、4Gや5G圏外でも通信できるとのアナリスト予測が届けられ、その直後にBloombergが「緊急通報に限られる」といった詳細を説明していました。
その続報として「衛星通信機能が使えるのは一部地域のみ」などの予想が報じられています。
BloombergのMark Gurman記者はニュースレター「Power On」の最新号にて、iPhone 13には衛星通信機能が搭載されるものの、その対象地域は機能はかなり限られるとの趣旨を述べています。すなわち「緊急機能は、携帯電話の電波が届かない地域や、一部の市場でしか使えません」とのことです。
さらにアップルは「最終的には独自の衛星を配置してデバイスにデータを送信することを想定していますが、その計画が軌道に乗るのは数年先になりそうです」と付け加えています。有名アナリストMing-Chi Kuo氏はGlobalstarなどLEO衛星通信プロバイダーと協力すると予想していましたが、Gurman氏はアップル自らがゆくゆくは衛星を打ち上げると示唆しているわけです。
またGurman氏は、iPhoneを衛星電話として使い、携帯キャリアの電波が届かない世界のどこでも通話できるようになりますか?という質問に対して「ノー」といい、「今も、来年も、近い将来もそんなことは起こりません」と強い調子で否定しています。
なぜかといえば、1つにはまだ準備のできていないハードウェアが必要とするため。また「コストがかかり、アップルが依存している電話会社の反発を招く可能性がある」とも述べています。アップルと携帯キャリアが持ちつ持たれつの関係にあり、iPhone 12が5G対応したのもキャリアの利益と深い関わりがある事情は弊紙の記事でも言及されていました。
アップルは9月内にiPhone 13発表イベントを開催すると予想されていますが、その場で衛星通信機能をお披露目するのか。Apple Watchの心電図アプリ以上に人命救助に繋がりそうではあるものの、「電波の届かない場所でも通話できる」との誤解を招きかねず、また携帯キャリアの利害も絡む機能ではあるため、後日のソフトウェアアップデートなどで静かに告知されるのかもしれません。
Source:Bloomberg
via:9to5Mac