iPhone 13シリーズが発表されてそろそろ1か月が経ち、次のアップル新製品が気になってくる頃でしょう。今年秋には「複数回のイベント」が行われるとの噂話もあり、来週あたりには何らかの動きがあるのかもしれません。
次期MacBook Proは11月発売?から有機EL版iPad Pro開発中?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。
次期MacBook Pro、11月に発売か。現行16インチモデルはなぜか品薄との報告
M1チップの強化版「M1X」を搭載した次期MacBook Proが11月に発売されるとの噂話です。その発信源は、アップルの内部情報を記事にするBloombergのMark Gurman記者の最新ニュースレターです。
Gurman氏いわくM1Xチップは年内に向けて準備中であり、来月(11月)中に新MacBook Proモデルに初搭載されるとのこと。「初」というだけに、いずれMac miniの上位機種にも積まれる見込みと述べられています。
M1Xチップには2つのバリエーションがあり、両方ともCPUは8つの高性能コア+2つの高効率コア。そしてGPUコア数で差別化を図っており、それぞれ16および32個を持つと語られています。現行のM1チップはCPU8コア(高性能コア×4/高効率コア×4)、GPUは8または7であり、主にグラフィック面が大幅に強化される模様です。
ほか「新型Mac Pro用のより高性能なチップ」や、将来のMacBook AirやiMac、ローエンドのMacBook Pro用の「M2」プロセッサも開発中とのこと。M2プロセッサに関してはCPUコアが8個を維持、GPUコアは9~10個に増やされ、より高速に動作するとの予想もあります。
アップルが新製品を発表する前に、前モデルは品薄ないし出荷日が延びるのは恒例のことです。最近も16インチMacBook Pro用に設計された96W電源アダプタが納期2~3か月待ちとなり、アップルストアの店頭からも16インチの在庫がなくなり、日本の公式Webストアでも納期が2~3週間先となっています。
ちなみに13インチMacBook Proは週明けには配送とされ、何か起こる気配はなさそうです。
次期11インチiPad ProはミニLED画面か。有機EL版Airは2022年に発売されないとのウワサ
有機EL版12.9インチiPad Proが開発中? 画面がより明るく耐久性も向上か
M1 12.9インチiPad ProにミニLEDバックライト画面(アップル的にはLiquid Retina XDR)が採用されて以来、「次期iPadにどのようなディスプレイ技術が搭載されるか」に注目が集まっています。そんななか、2022年に有力視されていた有機EL版iPad Airは出そうにないとのアナリスト予測です。
アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏の投資家向けメモによると、2022年のiPadモデルは液晶技術を維持するとのこと。ミニLED画面も液晶画面の一種であり、要は「有機EL搭載モデルは出ない」という見通しです。
Kuo氏は今年初めにiPad Airは有機ELに移行するとしつつ、ミニLED画面は「Pro」デバイスに限られると述べていました。しかし、最新メモでは「性能とコストがアップルの要求を満たせなかった」として、有機EL版iPad Air(2022)の開発は中止されたと前言を翻しています。これは共同開発にあたっていたサムスンが「儲からないから」撤退したとの韓国メディア報道とも一致しています。
それから数日後、今度は「12.9インチiPad」用にLGディスプレイが輝度や寿命、耐久性が向上した有機ELパネルの開発に乗り出したとのサプライチェーン情報が届けられました。韓国The Elec報道によれば、ここで使われるのはLTPO TFT(薄膜トランジスタ)技術であり、従来の有機ELよりも最大2倍明るくなり、耐用年数も最大4倍に延ばすことを狙っているそうです。
有機ELとミニLEDバックライト方式は、いずれも従来型の液晶パネルよりも表現力に優れているのは確かなこと。ですが、有機ELとミニLED画面の優劣が明確にあるとは言いがたいため、アップルがどのように違いを説明するのか。また「ミニLED搭載モデルの次期モデルが有機EL画面」ではユーザーが混乱しないのか、興味は尽きないところです。
新型iPad mini、一部個体で「画面を軽く押すと液晶が歪んで変色する」との報告
新型iPad mini(第6世代)はゼリースクロール、すなわち長いWebページなどをスクロールすると文字や画像が左や右に傾いて見えるとの報告が相次いだばかりです。それは不具合ではなく「液晶ディスプレイの正常な動作です」との公式回答があり、また分解および分析の結果として構造的に避けがたいことも判明しています。
そんなさなか、新たにiPad miniを(電源ボタンを右上に)縦置きにして画面にわずかに触れると、その周辺に歪みや変色が見えるとの報告がいくつかありました。大手掲示板Redditへの投稿では「ほとんどのモデルでは、この現象はディスプレイの上部に沿って3箇所で発生します」とも述べられており、ストアの店頭で試したのかもしれません。
指で少し押しただけで画面が凹んだり、色が変わったりするのは昔の液晶ではよくあった現象です。とはいえ最近のiPadでは廉価な無印モデルであれ確認されておらず、広範囲に起こっているならばアップルも公式に対応しているはず。
こうした現象が確認されたなら、故障や初期不良である可能性は高く、アップルストアや公式サービスプロバイダに持ち込めば修理や交換を受けられると思われます。しかし上記のゼリースクロールは商品受け取りから14日の期限が過ぎていれば返品や交換できるとは考えにくく、もしかしたらiPadOSのアップデートで軽減されるかも(その保証はどこにもありません)と祈るほかなさそうです。
「ジョブズはDELL製PCにMac OSやNeXTSTEPの搭載を提案していた」デル氏が証言
さる10月5日はアップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏の逝去からちょうど10年目であり、様々な関係者から逸話が語られていました。その中でも異色であり、故人と接点があったことが意外とも思えるDELLの創業者兼CEOのマイケル・デル氏が「NeXTSTEPやMac OS入りDELL製PC」があり得たかもしれないと振り返っています。
実は15歳の時に25歳のジョブズ氏と出会っていた(早くからジョブズ氏を起業家として注目していた)デル氏が語るのは、まずNeXTSTEPが「マイクロソフトのWindowsよりも優れているし、Sun Microsystemsが推進しているUnixワークステーション市場を弱体化させることができる」と売り込まれたこと。それに対して「そもそもNeXTSTEP用アプリがないし、顧客の関心もゼロだ」と真っ向から正論を言い返したデル氏もさすがに一角の人物です。
次がジョブズ氏がアップルに復帰し、今度は「Mac OSをWindowsと一緒にインストールして、デュアルブートにして欲しい」と頼まれたというエピソードです。
このときデル氏の「Mac OSがインストールされたPCの台数分だけライセンス料を支払う」という提案をジョブズ氏が飲んでおけば、その代わりに「WindowsとMac OSの両方を入れてデュアルブートとして、ライセンス料は全PCについて支払って欲しい」(Mac OSが使われなかったPCについてライセンス料を取れる)と欲ばらなければ、DELL製のMac互換機が誕生していたのかもしれません。
iPhone SE第3世代、A15チップ搭載で5G対応か。ただし現行モデルと同じデザインの噂
来年春にiPhone SEの後継モデル、第3世代が出ることが有力視されているなか、「iPhone 13シリーズと同じA15プロセッサや5Gモデムチップを搭載、ただし外見は以前のまま」という中国情報筋の噂話です。
つまり2017年発売のiPhone 8以来の4.7インチ液晶画面+前面にTouch ID内蔵ホームボタンが、4年越しに存続するということ。ちなみに第2世代SEとiPhone 8の共通パーツがどれほど多いかは、修理業者のiFixitが分解して検証済みです。
Macお宝鑑定団Blogによる最新のウワサは、有名アナリストMing-Chi Kuoの予測やNikkei Asia(日経の英字メディア)報道とも符合しています。かつて画面サイズが5.5ないし6.1インチと広くなり、Touch IDが側面電源ボタンに移された「iPhone SE Plus」が準備中とも囁かれていましたが、すでに続報は途絶えている感があります。
フラッグシップのiPhone 13シリーズが世界的な半導体不足やインフレ圧力で前年よりお高めとなったなか(ストレージ容量が増えているため、単純に値上げとは言えませんが)廉価なiPhone SEモデルはユーザーのすそ野を広げるために重要な位置づけのはず。
その一方で、2022年秋に5.4インチのminiサイズが廃止される代わりに投入されると噂の「iPhone 14 Max」(6.7インチの通常モデル)も気になるところです。