アップルは25日(米現地時間)テクノロジーを悪用した虐待やストーカー行為、ハラスメントを懸念する人々に知識を提供するドキュメント「Personal Safety Guide」を改訂しました。この改訂版では落とし物トラッカーAirTagがストーキングや車泥棒に利用されたとのニュースを受けて、AirTagに関するセクションが新たに追加されています。
この「Personal Safety Guide」は以前からあったもので、主に職場やプライベートで近しい関係にあったストーカーからの追跡を防ぐ方法などの手引きをしていました。そこにAirTagに関するセキュリティ対策の解説が加わった形です。
このガイドはアップル製品全般のセキュリティ対策についても、しっかりとまとめられています。たとえばiPhoneで共有する位置情報の制御や、Apple IDに不正利用が疑われる場合の防御、情報共有に対する不正な要求の回避、2ファクタ認証の設定やプライバシー設定の管理など、役に立つ豆知識が満載です。
さてAirTagについては、アップルは「“探す”ネットワークとともにプライバシーを重視して設計されています」と前置き。さらに「頻繁に変更されるユニークなBluetooth ID」により個人の特定を防ぐことを説明しています。
それに加えて「不要な追跡を防ぐため、不明なAirTagやその他のFind My(探す)アクセサリが時間とともにあなたと一緒に移動するのが確認されると、「あなたの近くで見つかりました」というメッセージをFind Myアプリが通知します(この機能は、iOS 14.5またはiPadOS 14.5以降を搭載したiPhone、iPad、iPod touchで利用可能です)」と不審なAirTag検知のしくみも手短に教えています。
こうした説明はAirTagに詳しいユーザーには周知の事実ばかりですが、分かりやすく簡潔なまとめと言えます。また「あなたの近くで見つかりました」と通知された場合でも、借りているものにAirTagがついている可能性もあると但し書きされています。
ほか、ガイドにはiPhoneなどで安全に帰宅したことを自動的に友だちに知らせる方法や、緊急SOSをすばやく作動させる方法など、身の安全を高めるための機能も紹介されています。非常に有益な手引き書だけに、日本語版の提供もお願いしたいところです。
Source:Apple(1),(2 PDF)
via:9to5Mac