BBCのジョン・サドワース北京特派員が、中国当局から圧力や脅しを受けたため、台湾に転出した。
サドワース特派員は中国に9年間駐在し、中国西部・新疆地区のウイグル族の処遇に関する報道で受賞歴がある。
中国にとどまるのが困難になってきたとして、家族と共に北京を去った。その際、私服警官が空港のチェックインエリアまで後を追った。サドワース特派員の妻イヴォンヌ・マリー氏は、アイルランド公共放送RTEの中国担当記者。
サドワース特派員は中国での取材活動について、どこであろうと自身や取材チームは監視され、法的措置を取ると脅されるとしている。また、妨害や脅迫も受けるとしている。
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取材チームはまだ北京に残っている。同特派員は、台湾から報道を続けると述べている。
BBCはサドワース特派員について、その記者活動を誇りに思っており、今後も中国への特派員であり続けるとする声明を発表。
「ジョンの記者活動は、中国当局が世界に知られたくないと思っている真実を明らかにした」と述べた。
中国はこれまで、BBCの新疆に関する報道を非難している。
中国外務省の華春瑩報道官は記者会見で、サドワース特派員の出国について、当局への事前通知はなかったと述べた。
「先日、サドワースの記者証の更新作業があった際に、サドワースがあいさつもせずに去ったと知った。中国を出た後も、関係当局に連絡せず、理由も明らかにしていない」
中国から報道する国際メディアは減り続けている。昨年は、米紙ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルなどの記者が国外に退去させられた。
昨年9月には、オーストラリアのメディアの中国特派員としては最後となる2人が、両国の5日間にわたる外交的なこう着状態の末に、中国を去った。
中国の外国特派員協会(FCC)は、声明をツイッターに投稿。外国人記者は「自力ではどうすることもできない外交上の対立に巻き込まれている」とした。
また、「サドワースとBBCの同僚に対する虐待は、中国特派員の仕事を妨害するいやがらせと脅迫が広がっていることと、中国人の取材アシスタントへの圧力が増していることを示している」とした。
(英語記事 BBC's John Sudworth leaves China after threats)
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