Huaweiの最新スマートフォン「HUAWEI Mate 9」が、12月16日に日本で発売される。
最新のプロセッサや大容量バッテリー、ライカと共同開発した第2世代のカメラを搭載するなど、「フラグシップモデル」と呼ぶにふさわしい仕上がりになっている。一方、Huaweiのフラグシップ機といえば、6月に発売された「HUAWEI P9」も当てはまる。
Mateシリーズは従来「大画面」を特徴としており、どちらかというと「ファブレット」といえるものだった。しかしここ最近は5.5型〜6型のスマートフォンも増えてきており、HuaweiもMate 9をファブレットとは呼んでいない。
Huawei担当者によると、「Pシリーズがフラグシップの根本だが、毎年Mateが出る12〜1月には、最新のチップセットが搭載されることが多い」とのことで、新技術を積んだ上位モデルがMateという位置付けになっている。一方でライカのカメラはP9から継承しており、今回のMate 9はP9の正当進化版とも考えられる。
では、Mate 9とP9は何が違うのか? あらためてまとめてみた。
「HUAWEI Mate 9」。カラーはムーンライトシルバーとシャンパンゴールドの2色側面〜背面はアルミで覆われており、高級感を得られるMate 9の画面サイズは、5.2型のP9よりも一回り大きい5.9型。数字だけを見るとさすがにデカすぎるのでは……と思えるが、ディスプレイのフチがギリギリまで狭められているため、手にすると思ったほど大きいとは感じない。幅は78.9mmで、5.5型のiPhone 7 Plus(77.9mm)より1mm太いだけ。筆者がiPhone 7 Plusを使っていることもあるが、違和感なく片手で操作できた。
また大画面を生かし、上下に異なるアプリを表示させる「ダブルウィンドウ」にも対応した。
5.5型のiPhone 7 Plusよりもやや大きい程度(写真=左)。5.2型のHUAWEI P9と比べると、かなり大きく見える(写真=右)片手でもしっかりと握れるプロセッサは最新の「Kirin960」を採用。ARMの最新CPU「Cortex-A73」(4コア+4コア)が使われており、従来比でCPUのパフォーマンスは18%、電力効率は15%アップした。
バッテリー容量はP9の3000mAhから4000mAhにアップ。連続待受時間は約150時間、連続通話時間や約3時間伸びている。Huaweiの調査によると、Mate 9は標準的な利用で2日以上の連続使用が可能だという。
ライカと共同開発したデュアルカメラはP9で初めて搭載したが、Mate 9では第2世代へと進化している。具体的な内容は以下の通り。なおインカメラの画素数(800万)や機能はP9から変更されていない。
ライカ印のデュアルカメラを搭載P9ではRGBセンサーとモノクロセンサーのいずれも1200万画素だったが、Mate 9ではモノクロセンサーが2000万画素にアップ。これにより、ディテールの描写力が50%向上したという。Huawei担当者によると、花など色鮮やかな被写体で、その違いを実感できるという。
最大20Mの静止画を撮影できる深みのあるモノクロ写真を記録できる静止画と動画、どちらも光学式手ブレ補正に対応している。なお、光学式手ブレ補正はレンズを動かすことでブレを補正するため、その分のスペースが必要になる。そのため、Mate 9(厚さ7.9mm)はP9(厚さ6.95mm)より厚くなったにもかかわらず、カメラレンズがわずかに出っ張っており、フラットなボディーではなくなっている。
わずかだがカメラが出っ張っているAF(オートフォーカス)は、「レーザーAF」「デプスフォーカス」「コントラストフォーカス」に加え、画素をピント合わせに使う「像面位相差フォーカス」を新たに採用した。より素早くピント合わせができるようになったほか、「ワイドアパーチャ」の設定時に、より正確に背景をぼかせるようになる。
ボケ味のある写真を撮れる「ワイドアパーチャ」新チップセット「Kirin960」に内蔵した深度計算プロセッサの性能も増しており、より高速なピント合わせや、美しいボケ味の表現が可能になった。
2000万画素のモノクロセンサーでとらえた情報を1200万画素に切り出すことで、2倍まで画質劣化を抑えてズームできる。レンズを動かす光学ズームとも、iPhone 7 Plusに搭載されている望遠カメラとも仕組みは違うが、Huaweiは「光学ズーム効果を得られる」と説明している。
2倍まで画質劣化を抑えてズームできる。なおハイブリッドズームは20Mでは利用できず、12M以下にする必要がある動画撮影は4Kまでサポートする。4K動画の撮影時にも、光学式手ブレ補正が有効になる。
4Kサイズの動画を撮影できるMate 9は、Huawei端末としては初めて、LTEと3Gの同時待受(DSDS)に対応している。電話(3G)はビジネス用に、データ(LTE)はプライベート用に、といった使い分けが可能。海外滞在中に、データ通信は現地SIM、電話は国内SIMを使えるのも便利。
Mate 9ならではのVIPサービスとして、購入日から90日以内に画面が破損した場合、1回に限り、無償で修理をしてくれる。画面サイズが大きいほどスマホを落とすリスクも高まるので、うれしい特典だ。
基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO」