「LINEの大事なトークを消してしまった! でも、あの頃のトークをもう一度見たい……」というとき、どのように復元したらいいのでしょうか。
LINEの「トーク履歴」とは、これまでトークルームでやり取りしたメッセージ(テキスト)全体のことを指します。LINEでは相手ごとにトークルームが作られ、送受信したメッセージが貯まっていきます。それらすべてのトークルームのメッセージを総称して「トーク履歴」と呼びます。トーク履歴には、トークでやり取りした写真や動画、音声データは含まれません。
LINEのトークで一部のメッセージを誤って削除してしまったとき、またはトークルームごと削除してしまったとき、LINEのトーク履歴を復元させたいと思うでしょう。しかし、過去のトーク履歴を復活させるには、「トークのバックアップ」で保存したバックアップデータが必要です。バックアップしたデータがあれば、トーク履歴を復元することができます。
以下、iPhone版LINEアプリ、Android版LINEアプリそれぞれのバックアップ方法を簡単に説明します。より詳しくは、下記の関連記事をご参照ください。
【関連記事】LINEのトーク履歴をバックアップする方法 - 引き継ぎに必須の準備
iPhoneでトーク履歴を復元するには、一度LINEアプリをアンインストールしたのち、再インストールして復元します。手順としては、機種変更時の引き継ぎと似ていますが、途中でパスワードの入力は求められません。
Android版のLINEアプリにはトーク履歴を復元する機能があります。そのため、LINEアプリを再インストールすることなく、バックアップしたデータを復元できます。
LINEのトーク履歴を復元する目的が、消えてしまった過去のメッセージを再び表示することであれば、トーク履歴を復元する直前にバックアップをとり直してはいけません。なぜなら、新しくとり直したバックアップは、再表示したい過去のメッセージが消えたデータとなってしまうからです。
しかし、古いバックアップデータを復元すると、バックアップ後から現在までに交わした新しいトークが消えてしまうのでは? という不安が生じます。
今回、筆者と編集担当者でiPhoneとAndroid端末それぞれ検証したところ、iPhoneでは復元を実行しても、バックアップした後に交わした新しいトークは消されずに残りました。
一方、Androidで復元を実行すると、筆者のAndroid端末ではバックアップ後に交わした新しいトークは消えてしまいましたが、編集担当者のAndroid端末では消えずに残りました。両者が違う結果となった理由は調査中ですが、Androidでは環境によって新しいトークが残らない場合があるようです。
トーク履歴はバックアップがなければ復元できませんが、消えたトークを復活させる代替手段を紹介します。自分のバックアップデータに目的のトークが含まれていなかった場合の対処法にもなります。
トークした相手から、またはグループトークのメンバーから、目的のトークの「スクショ」を送ってもらう方法です。LINEの機能を使うと、欲しい箇所だけ撮影することができます。
トークルームには、「トーク履歴を送信」という機能があり、テキストファイルの形式でトーク履歴を送ることができます。ただし、画像やスタンプは表示されません。
トーク履歴を思ったように復元できなかった場合は、以下の理由が考えられます。
「送信取消」は、自分が送ったトークを後から削除できる機能です。もし相手が「送信取消」をした場合は、バックアップしてもデータに含まれません。また、異なるOSで機種変更した場合、トーク履歴を引き継ぐことはできないため、復元もできません。
そしてiPhoneのみの注意ですが、「設定」から「自分のアカウント名」→「iCloud」と進んで「LINE」の項目がオンになっているか確認しましょう(標準設定でオンになっています)。もちろん、iCloudにLINEのバックアップデータを保存できる空き容量も必要です。
友人から心温まる言葉をもらったり、いつもは言えない本音を交わしたりと、LINEには思い出深いトークがあります。見返すことができるように、バックアップをしっかり取っておきましょう。
すずきともこITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー。SNSやスマホなど、身近なITに関する記事を執筆。10代のスマホカルチャーに詳しく、女子高生とプリクラにも出かける。趣味はへんてこかわいいiPhoneケース集め。著書は「親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)など20冊を超える。