MMD研究所は1月27日、2022年1月のスマートフォンQR決済の主要6サービスの利用動向調査の結果を公表した。それによれば、利用頻度がもっとも高かったのはPayPayで、利用者の約6割が1週間に1回以上利用しているという。
今回調査の対象としたのは、PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、メルペイ、LINE Payの6サービス。これらのサービスをメインで利用しているというユーザーそれぞれ150人に、利用頻度や満足度などを聞いている。
それぞれのサービスの利用頻度では、PayPayをメインで利用しているユーザーの利用頻度が高かった。1日に2回以上利用するというヘビーユーザーの比率を見ると、トップのPayPayが8.7%、2位の楽天ペイが8.0%、3位はau PAYとd払いがともに7.3%。それ以下の利用頻度を見ても、概ね傾向は変わらないようだ。
メインで利用しているサービスの満足度を聞いた設問では、総合満足度/お得部門で楽天ペイがトップ。利便性部門ではPayPay、信頼部門ではau PAY、アプリデザイン部門ではメルペイがそれぞれトップを獲得した。先の設問でもっともよく使われていたPayPayが利便性を評価されているというのは納得のいく結果。
d払い/LINE Payは部門トップなしと苦戦気味だが、d払いがそれでも一定数使われているのはドコモのシェアを反映したものか。LINE Payは同じソフトバンク系のPayPayへの統合が予定されていることも評価が上がらなかった背景にあるだろう。
各サービスの顧客推奨度(家族・友人にどれくらいすすめたいか)についても、1位PayPay、2位楽天ペイ、3位d払いという結果。利用頻度と大きな乖離はなかった。
個別のコメントでは、PayPayの長所としては「他のキャッシュレス決済よりも圧倒的に使えるお店が多いから」「現金で支払うより、ポイントも貯まるし、お得なキャンペーンもしょっちゅうやっているから」という声があり、短所としては「ポイント還元率が非常に低い」「ソフトバンクユーザーじゃなければおすすめする理由が特にないから」といった声があった。
楽天ペイについては「クレジットカードを使うのが躊躇われるような少額の買物でも積極的に使用出来るのが良い」「ネットショップで貯めたポイントをリアル店舗で使えるところが良い」といった推奨のコメント、「個人的に気に入っているシステムだが、他の人に積極的に薦めるほどではない」「楽天の経済圏にいないと得とは言えないから」といった否定的なコメントが見られた。
総じて各サービスを家族・知人に勧めない理由としては、相手の利用しているスマホ回線契約やポイントサービスによってメリット/デメリットが大きく違ってくる点にあるようだ。
そもそものQRコード決済を使い始めたきっかけは、「ポイントがたくさん貯まるから」がトップの36.3%で、以下「キャンペーンを知って興味を持ったから」24.9%、「普段使っているサービスとポイントが連動しているから」22.2%と続く。上位3項目はいずれも「おトクさ」によるもので、利便性よりもおトクさが利用者を引きつけているといえる。
また、各サービスごとに使い始めた理由を見ると、それぞれの傾向が見えてくる。「ポイントがたくさん貯まる」の順位が4位と低いのがメルペイで、「普段使っているサービスとポイントが連動している」が1位なのとあわせると、利用者の中心はメルカリのヘビーユーザーといえそうだ。また、PayPayは「キャンペーンを知って興味を持った」がトップで、サービス開始から積極的にキャンペーンで顧客獲得に努めてきたことが利用度トップにつながっているのがわかる。