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【ピウムジカ インタビュー】3人の個性を重んじながら誠実な音楽を作る

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L→R 日暮郁哉(Dr)、久喜有乃(Piano&Vo)、黒後祐人(Ba)

 【ピウムジカ インタビュー】3人の個性を重んじながら誠実な音楽を作る

1stミニアルバムとなる『ダイヤモンド』をリリースしたピアノトリオ・ピウムジカ。2021年6月に結成された彼らはどんなバンドなのか? それを知るために結成からリリースに至るまでの経緯を含めて、音楽に対する情熱についてうかがった。ピウムジカ インタビューその他の写真

それぞれが自由に鳴らすその先に曲がある

──まず、ピウムジカを結成するに至った経緯を教えてください。久喜:もともと4ピースバンドとして別のバンドをやっていたんですよ。私と黒後はオリジナルメンバーとして7年ほど活動していて、リードギターが抜けたあとに日暮が加入することになったんですが、そのタイミングで“今の音楽性とは異なることをしたい!”という意欲が湧いてきたんです。そこで、当時ギターヴォーカルだった私がピアノヴォーカルに転身し、気持ち新たに“ピウムジカ”としてスタートすることにしました。日暮:僕が音楽性を変えちゃいました(笑)。僕がこのバンドでやりたかったことは、メンバーそれぞれの個性を最大限に発揮させた音楽を作ることだったんです。黒後:そのおかげでアレンジの仕方も大きく変わったよね。4ピースだった頃はシンプルなフレーズを起用することでヴォーカルやリードギターの邪魔をしないように努めていたんですけど、ピウムジカになってからは自由度が格段に上がったのでバリバリ動いてますし。だから、今はとても楽しいです。久喜:ピアノの左手で今までのベースラインの役割を補いつつ、黒後にはリードギターの役割を担ってもらっている感覚ですね。日暮:ドラムに関しても歌やメロディーの流れを優先するのであれば、極論8ビートでいいと思うんですけど、やっぱりやっている側も楽しい音楽がいいと思うんです。なので、このバンドではそうした自由なプレイができている実感がすごくあります。──各々が個性を発揮しながら楽しみつつ、音楽的なバランスを取っていくことを大事にしていると。久喜:本来のバンドの醍醐味ってそこにあると思いましたね。それぞれが曲のために我慢し合うのではなく、それぞれにしか出せないフレーズを組み合わせた結果、曲になった…という作り方のほうが健全なような気がしています。──今作に収録されている6曲(ボーナストラックを含む)は、この半年間で作った楽曲なんですか?久喜:半分は前のバンドの時からあったものをアレンジした楽曲です。黒後:それらもメロディーが変わっていないだけで、当時とはまったくの別物になっていますけどね。──ピウムジカとしての初ライヴはいつだったんですか?久喜:実は、前身バンドの企画として行なったイベントの冒頭に“私たちはこのバンドを辞めます。そして、新しいバンドをやります”と宣言して、ピウムジカとして初めてライヴをやったんです。──お客さんには事前告知をせず、サプライズで新バンドをお披露目したということですか?黒後:そうなんです。なので、解散と結成が同時なんですよ。久喜:ファンの方への申し訳なさもあったし、ライヴ直前まで本当にめちゃくちゃ悩みました。でも、もしここで前身バンドのライヴをしてしまうと、日暮が後入りメンバーという立ち位置になってしまう。それが嫌だったんです。黒後:日暮をオリジナルメンバーにしたかったんですよね。日暮:嬉しいですね。久喜:そう思わせるくらいの強い個性を持っているからこそ、私も黒後も日暮と同じスタートラインに立ちたかったんです。──なるほど。でも、その覚悟があったからこそ、こうして純粋な気持ちで楽しみながらバンド活動をできているんだと思いますし、悩みに悩んだ結果、下した決断は間違っていなかったんでしょうね。久喜:アレンジや曲作りなどに関してはかなり大きな変化を伴ったので、適応していくために大変な想いもしましたけどね。黒後:めちゃくちゃ個人練習したしなぁ。日暮:ふたりは今までやったことのないことをやるようになったから、そのぶん変化は大きかったと思います。でも、プロデューサーも“自分らしさを全面的に出していこう!”という方向性を持った方だったので背中を押してもらえました。久喜:そのプロデューサーには人間性についても助言してもらったんですけど、その中で“素敵な人間になれ”と言われたんです。その答え探しもかなりキツかったですね…。