――テラデータでは、「Stop Buying "Analytics" It's Time To Invest In Answers.」というメッセージを発信しています。いまこそ、「答え」に投資すべきとする、このメッセージには、どんな意味があるのですか。
いまや、あらゆる業界において、データを使って仕事をすることが日常的になってきています。自動車業界では、故障や事故を避けるためにデータを活用し、製造業の現場では、データを活用して生産性を高めるといったことが進められています。これにあわせて、アナリティクス市場は20兆円規模にまで拡大し、その勢いはさらに増しています。
ただし調査によると、企業の意思決定者の74%が「アナリティクス技術は複雑すぎる」と回答しており、従業員の79%は「仕事の効率向上に必要となるデータにアクセスができていない」と回答しています。
私自身、日本の企業の経営トップと話しをしてみると、問題はさらに根深いと感じざるを得ません。例えば、経営トップは、自らが意思決定をする際に必要となるデータとはどんなものであるのか、ということを理解しているケースが少ないことを感じます。また生産現場では、工場長が、生産ラインの生産性をあげるために必要となる情報はなにか、ということがわからない実態もあります。
さきほど触れたように、従業員の79%は、仕事の効率向上に必要となるデータにアクセスできていないとの結果がありますが、むしろ、「なににアクセスができていないのかがわからない」という状況にある企業が多いのでしょうか。
なにがあれば、意思決定の判断に使えるのか、なにがあれば工場現場の生産性をあげることができるのかがわからない企業が、このなかの多くを占めているかもしれません。
日本のお客さまの多くには、大量の生産管理のデータがあり、しかも、販売情報や顧客情報、与信管理のデータもある。さらには、部品に関するデータや、故障およびクレームに関するデータも持っています。
しかし、これらの情報をどう分析したら、どう役に立つのかがわからずに、アナリティクス製品を入れているというケースが多すぎます。アナリティクス製品を入れるだけでは役に立ちませんし、答えに到達するまでに時間がかかります。結果として、労力や投資を無駄にしているともいえます。
では、どうしたらいいか。
それは、「答え」に投資をすべきであるということです。いま判断するのに必要な答えはなにか。その答えを導き出すために必要なデータはなにか。そのデータはどこにあるのか。そうした観点からデータをとらえれば、アナリティクスに投資するという無駄なことを抑え、答えを導き出すことに優先的に投資ができます。
つまり、お客さま自身が「なにに投資すれば判断に役立つのか」ということを改めて考える必要があります。だからこそ、アナリティクスから投資をするのではなく、いまこそ、価値ある「答え」に投資をすべきであるということを訴求しているのです。
答えに到達するまでに時間がかかるというのは、ビジネススピードの遅れや、判断の遅れにつながります。そこに、日本の経営者は気がつくべきです。いまは、どこにどんなデータがあるのだろうか、そこからどんな答えを導き出せるのだろうか、といったような観点でアナリティクスを導入していますが、そんな悠長な姿勢で、アナリティクスを導入するほどの余裕はありません。