先月アップルはロシア国内で販売されるiPhoneやiPadの初回起動時に、ロシア政府の承認したアプリのインストール推奨を義務づける法律の遵守に合意したことが明らかとなっていました。
その法律が4月1日から施行され、アップルがシステムサーバー側を有効として、iPhoneの初期設定後にロシア政府が認可したアプリのインストールを勧めるようになったと伝えられています。
この方針ははじめ「ロシア政府によるプリインストールアプリの強制」かもしれないと警戒を呼んでいましたが、実際は初期セットアップが終わったあとにApp Storeに誘導され、ロシア政府お墨付きのアプリリストが提示されるに過ぎないもようです。「×」ボタンを押すだけで一括して拒否できる上に、1つ1つのアプリの横にあるダウンロードボタンを意図して押さなければインストールされません。
あなたのプライバシー設定では、このコンテンツをご利用できません。こちらで設定を変更してくださいとはいえ、位置情報のオンオフやディスプレイ設定などおなじみの初期手順を踏んだ後に、「ロシアの法的要件を遵守して、ダウンロード可能なアプリを引き続き表示します」というメッセージが現れるのは、これまでとは異質なことには違いないでしょう。
現時点ではYandex.Browser、Yandex.Mapsやロシア連邦公共サービスアプリといったロシア国産アプリが並んでいます。ただし、これらアプリの顔ぶれは時間の経過とともに変更される可能性もありそうです。
アップルは以前、すべてのアプリがApp Storeレビューガイドラインに準拠しなければならないと述べていました。つまり、これら現地アプリはロシア政府がインストールを望んでいるとはいえ、App Storeで許可されていないソフトは含まれていないことになります。
このロシア政府推奨アプリのリストは、地元メディアによればオプトアウトして非表示にはできないとのことです。ただしAndroidデバイスではプリインストールが義務づけられるとも伝えられており、一応アップルは政府への譲歩を最小限に抑えられたのかもしれません。
Source:Khaos Tian(Twitter)
via:9to5Mac