米国際貿易委員会(ITC)は1月6日、Sonosが特許侵害でGoogleを訴えていた件について、Sonos側の主張を認めGoogleが特許を侵害しているとの判決を下しました。これにより、特許を侵害している製品の米国への輸入・販売が禁止される可能性が出てきました。
もともとGoogleと業務提携していたSonosですが、その際に提供した複数のスピーカーを同期して利用する技術をGoogleが自社製品に無断利用し特許を侵害しているとして、2020年にGoogleを提訴。スマートスピーカーのNestシリーズやChromecast、Pixelなどの販売差し止めを求めていました。
この判決により、中国で製造しており、特許侵害が指摘されているNestシリーズやChromecast、Pixelなどを米国内に輸入・販売ができなくなります。
ただし、ITCはGoogleがSonosの特許を侵害しない形への設計変更を認めており、Googleの広報担当者は「輸入・販売には影響がないと予想している」とProtocolに対して語っています。実際、Googleはスマートスピーカーに関して、スピーカーグループの一括音量調整機能、スマートフォンの音量ボタンを利用したスピーカーグループの音量調整機能を削除すると発表しています。
Sonosの最高法務責任者であるEddie Lazarus氏は、声明の中で「特許訴訟では非常にまれな全面的な勝利」と判決を歓迎しています。その上で「ITCが課した輸入禁止措置を回避する形で、Googleが製品の機能を低下させたり排除したりする可能性はあります。しかし、この輸入禁止措置を回避するためにGoogleが消費者の体験を犠牲にすることがあっても、Googleの製品がSonosの数十件の特許を侵害することに変わりはなく、Googleの不正行為は継続し、Sonosに支払うべき損害賠償は発生し続けるでしょう」と指摘。「あるいは、他の企業がすでに行っているように、Googleは不正利用した技術に対して適正なロイヤルティを支払うことができます」としています。
認められた特許侵害の中には、スピーカーのステレオペアリングも含まれており、この機能まで削除するとなるとGoogleのスマートスピーカーの魅力は大きく損なわれる可能性もあります。Sonosが指摘する通り、正当なロイヤリティを支払うのか、あるいは判決を不服として最高裁判所に上訴することになるのか、今後のGoogleの動きに注目したいところです。
Source: ITC(pdf)、Protocol