株式会社日立システムズは28日、イスラエルSparkBeyondと日本国内ではじめてリセラー契約を締結し、AIによる課題解決プラットフォーム「SparkBeyond」のライセンス提供を開始すると発表した。
SparkBeyondは、データから読み取れる特徴(要因)を抽出できる診断機能(インサイト)と、診断した結果から何が発生するかを予測する予測機能(モデリング)を備えるプラットフォーム。地図情報や天候情報、国勢調査や人口統計など数千におよぶデータに接続し、数分間で数百万の特徴を抽出できる高速な診断機能と、ユーザーの直感的な操作を支援するGUIを備える。
診断機能(インサイト)では、独自のアルゴリズム(リサーチエンジン)により、さまざまなデータから時系列やテキストなどを頼りに、複雑なパターンや相関関係を発見できる。さらに、地図情報や天候情報など数千におよぶ外部データを組み合わせることで、大量のインプットデータから課題解決に必要となる特徴(要因)を自動的に抽出できる。
予測機能(モデリング)では、多くのデータと連携しながら高速に繰り返し検証を実施することで、精度を向上させられる。
これにより、人為的にはこれまで認識することができなかった新たな気付きも含め、課題に対する解決策を自動的に導き出し、課題の抽出・分析に要していた期間と工数の削減と、意思決定の迅速化を可能とする。
また、SparkBeyondは、担当者の直感的な操作を支援するGUIを備えているため、専門知識を持たない担当者でも、簡単なトレーニングでデータ分析が可能。海外の事例では、骨粗しょう症、股関節骨折、大腸がんの新たな初期指標を発見するためのオックスフォード大学での研究や、販売履歴を外部データと連携させ、流通業の新規店舗出店のための最適なロケーションの分析、金融業でのクレジットカード不正利用の分析に活用されるなど、あらゆる分野で導入実績があるという。
日立システムズでは今後、コンタクトセンターやデータセンターなどのサービスインフラや、他システムと連携するためのRPAやAPI連携の導入支援、ネットワーク/セキュリティなど日立システムズの各種サービスとSparkBeyondを組み合わせ、企業のデータ分析人材の育成支援から基盤整備までを、トータルでサポートするサービスの提供を予定。これらのサービスにより、2023年度末までに累計10億円の売上を目指すとしている。