海外メーカー製の買いやすいSIMフリースマホがたくさん登場したり、スマホのSIMロック解除がしやすくなったりと、SIMフリースマホを気軽に利用できる環境が整ってきました。ただ、SIMフリースマホを使うには、やはり少し注意が必要です。今回はau回線でSIMフリースマホを使う方法を紹介します。
SIMフリースマホをau回線で使うには、au回線に対応したSIMロックフリーのスマホと、au回線を利用するキャリアのSIMカードが必要です。
SIMフリースマホはメーカーが独自に販売している端末で、au回線に対応しているモデルをおすすめしますが、他キャリアのスマホをSIMロック解除してSIMフリーにしても使えます。
最近のSIMフリーiPhoneを利用する場合、auのSIMカードを使うなら設定いらずです。auのSIMカードをSIMフリーiPhoneに挿しただけで、通話もデータ通信もすぐに使えるようになります。
一方、au系MVNOのSIMカードを挿してSIMフリーiPhoneを使う場合は、MVNOのサイトから「APN構成プロファイル」をダウンロードし、SIMフリーiPhoneにインストールする必要があります。
iPhone用の「APN構成プロファイル」はMVNOのサイトからダウンロードします。
SIMカードは、本家本元のauはもちろん、UQ mobile、au回線を利用しているMVNOのmineoやBIGLOBEモバイル、IIJmio、イオンモバイル、LINEモバイルなどで入手できます。これらのサイトやショップで、SIMカードとセットで販売されているスマホは、通常より安く購入できることがあります。
ほんの2、3年くらい前までは、MVNOのSIMカードだとテザリングができないケースがありました。au回線を利用するMVNOのSIMカードでも、SIMフリーiPhoneでテザリングができないことがしばらく続きましたが、現在、この問題はなくなっています。心配な場合は、MVNOのサイトに掲載されている動作確認済み端末を確認してみましょう。テザリングの対応も記載されています。
SIMフリー端末をau回線で使うには、au VoLTEに対応していることが必要です。au回線を利用しているキャリアは現在、au VoLTEに対応したSIMカードを提供していて、これはau VoLTEに対応していない端末では使えません。古いSIMフリースマホをau系SIMカードで使う場合は、端末がau VoLTEに対応しているかどうかを必ず確認しましょう。
SIMフリースマホでデータ通信をするには、「APN（Access Point Name）」の設定が必要になることがあります。APNが自動で設定されることも多いのですが、データ通信できない場合は、この設定がきちんとされているかを、モバイルデータ通信設定で確認しましょう。設定されていない場合は、キャリアやMVNOのサイトなどでAPNの設定に必要なデータを参照し、手入力します。
SIMフリーのiPhoneにMVNOのau系SIMカードを挿す場合は、MVNOのサイトから「APN構成プロファイル」をダウンロードし、iPhoneにインストールする必要があります。AndroidのSIMフリー端末のようにAPNを手入力できないため、最初の設定はAPN構成プロファイルをダウンロードするためにWi-Fi環境が必要です。
まず大前提として、MVNOなど他キャリアに乗り換えると、元のキャリアメールは送受信できません。auのキャリアメール（@au.com／@ezweb.ne.jp）を送受信するなら、auの契約を維持する必要があります。
SIMフリーのiPhoneでauのキャリアメールを利用する場合は、Safariでauのメール設定のサイトにアクセスし、メール設定に必要なプロファイルをダウンロード＆インストールします。これだけでauのメールを送受信できるようになります。
AndroidのSIMフリースマホの場合は、auのSIMカードをスマホに挿した状態でauのメール設定情報を取得。そこに記載されている情報を、利用するメールアプリに正確に入力すると送受信できるようになります。
auのSIMカードを挿し、Wi-Fi接続を切ってメール設定情報を取得するサイトにアクセスすると、このようなデータを確認できます。ここに書かれている情報をメールアプリに登録します。
ドコモやソフトバンクで購入したSIMロックがかかっているスマホを、SIMロック解除してSIMフリー化し、それにau系SIMカードを挿して使うことはできます。
ただし、Androidスマホの場合、ドコモの端末はドコモ回線に、ソフトバンクの端末はソフトバンク回線に最適化されており、auが使っている電波の周波数にマッチしない部分があります。そのため、他キャリアが販売したスマホは、場所によっては最高のパフォーマンスで使えない場合があります。
一方、iPhoneは3キャリアですべて同じ端末です。どこのキャリアで購入したiPhoneも、SIMロックを解除すると同じiPhoneとして使えますし、周波数もきちんと対応しています。
古いSIMフリースマホを除き、最近のSIMフリースマホのほとんどがau回線に対応しています。SIMフリースマホを販売しているメーカーのサイトなどで、au回線に対応しているかどうかも、すぐに分かります。AppleのiPhoneはもちろん、ファーウェイ、ASUS（ZenFoneシリーズ）、シャープ（AQUOSシリーズ）、OPPO、モトローラ、Xiaomiなどのメーカーがau回線にも対応しているSIMフリースマホを提供しています。
SIMフリー端末は、ハイスペックなモデルも買いやすいミドルレンジ端末も、以前よりずっと入手しやすくなり、メーカーやキャリアはSIMフリースマホを使うための方法をきちんと案内しています。au回線に限らず使えますので、興味を持ったならSIMフリースマホにチャレンジしてみては。
文／房野麻子