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6Gは23年までが勝負、アクセル踏むドコモ

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NTTドコモが5G(第5世代移動通信システム)の次の通信方式である「6G」の取り組みを加速している。2020年7月29日と30日に多彩な関係者を招いて6Gに関するオンラインイベントを開催するほか、7月中旬には第2版となる6Gのホワイトペーパーを公表した。ドコモの6G戦略について、同社執行役員でネットワークイノベーション研究所長の中村武宏氏に聞いた。(聞き手は堀越 功=日経クロステック)

NTTドコモ執行役員ネットワークイノベーション研究所長の中村武宏氏5G推進も国内外でリードした。(撮影:日経クロステック)

5Gが商用化されたばかりですが、国内外で早くも6Gに向けた機運が高まっています。

世界的に見ても中国や韓国、欧州で6Gの取り組みが活発化している。日本も総務省が「Beyond 5G推進戦略」を公表した。ドコモもアクセルを踏まないといけない状況だ。

6Gの議論は過去の世代の例から見ると2〜3年前倒しして進んでいる印象だ。2020年導入を目指していた5Gの例を振り返ると、その10年前の2010年はコンセプトを作り始める段階だった。2012年ごろにコンセプトを明らかにしたが、まだ世界的な機運も高まっていなかった。ドコモとしては10年後の2030年を待たず、6Gを2020年代から提供していきたい思いがある。日本が5Gで内容的にみて諸外国に出遅れたとは思っていない。ドコモは過去の世代でも世界をリードしてきた。6Gでも世界をリードできるように研究開発を進める。

6Gは23年までが勝負、アクセル踏むドコモ

公表されたホワイトペーパーを見ると、6Gは100Gビット/秒の超高速・大容量通信といった5Gの機能拡張に加えて、空や海、宇宙などあらゆる場所へのカバレッジ拡張など新たな方向性も示しています。

ネットワーク技術として6Gを定義するには、圧倒的な性能の飛躍がなければ新たな世代と呼べない。5Gの持つ高速・大容量、高信頼・低遅延、多数同時接続のシステム性能をさらに進化させる方向性が一つある。5Gではこれらの機能のどれか一つを満たせばよかったが、6Gではこれらの機能をコンビネーションできるようにしていかなければならないと考えている。

ドコモがホワイトペーパーで公表した6Gの要求条件の方向性(出所:NTTドコモ)

空や海、宇宙などへの超カバレッジ拡張は、HAPS(High Altitude Platform Station、またはHigh Altitude Pseudo Satellite)や低軌道衛星の活用を視野に入れている。これまでエリア化されていない場所で通信できるようになれば、さまざまなニーズを呼び起こし、ビジネスを広げられると考えている。

6Gでは新たにどのようなニーズやサービスが広がると考えていますか。

一つの例として、人の身体能力や知覚、認知能力を6Gで拡張する「人間拡張」といったテーマがあるだろう。例えばセンサーによって人の動きそのものをサイバー空間上に反映し、機械を使ってその動きを再現したり、別の場所にいる人にその動きを伝えたりできるようにすることだ。脳波を検出する技術も進化しており、人の知覚や認知情報をサイバー空間に反映することもできるようになってきた。言葉や身ぶりによらずテレパシーのように、人の心を他人に伝えることも夢ではなくなってきている。日本国内でもこうした研究を進めている機関があり、共同で6Gに向けたユースケース開拓を進めたい。

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