「ASUS ZenFone 3」
2枚のSIMを同時に使えるASUSの「ZenFone 3」。前回、2枚差して使ってみたが、その後もいろいろ試してみて非常に便利なことがわかってきた。
一般的に回線契約が複数あると費用もかかってしまうが、そこは格安SIM。複数あっても大した金額にならないばかりか、容量を多く使うような場合は、2枚に分けたほうがかえって便利ということもある。
SIMは2枚挿入可能
2枚のSIMを使う方法は簡単で、ZenFone 3に2枚差してしまえばいい。APN設定はたいていの格安SIMなら自動で設定されるので、そのままですぐ通信ができ、DSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)で2つの電話番号の待ち受けが可能になる。
ただし、auのネットワークのSIMの場合はVoLTEになるので、データ通信を有効にしたSIMしか音声が使えないなどの制約もあるが、auネットワーク+ドコモネットワークのSIMの両面音声待ち受けは可能だ。
SIMのどちらかを利用するかをすぐ切り替え可能。SIMスロットには名称設定ができる
SIMは何もしなければ1のスロットが有効になるが、切り替え方法は簡単。設定から「デュアルSIMカード設定」を開いてそれぞれの項目を切り替える。
SIM1とSIM2の電波の強さが同時にわかる
2つともドコモネットワークのSIMならデータを切り替えながら使うということも可能だ。例えば、格安SIMの速度低下が著しい夜間や昼食時間帯だけドコモ契約の「mopera」を使い、それ以外は格安SIMを使うということも簡単だ。
また、最近ではあまりエリアの差はなくなっているが、auとドコモ、ドコモとソフトバンクなど、エリアの違うSIMを差しておいて、場所によって使い分けるということも簡単にできる。
ZenFone 3はドコモ、au、ソフトバンクの800MHz帯に対応しているので、エリアの点で有利。地方に行くと、どれか1つしか入らないということもあるだろう。そんなときでも切り替えてしまえば、通信が使えないということがない。
auのVoLTE対応SIMをSIM1に挿入、SIM2はドコモで、データ通信をSIM2に設定するとau側は圏外表示になる
アンテナマークは、au+ドコモ利用の場合はデータ通信をau側にしていないと両方の同時表示はできないという制約はあるものの、大抵の場合は両方が表示されるので、切り替えるためのヒントにすることもできる。
ASUS ZenFone 3のLTE対応バンドは、1/2/3/5/7/8/18/19/26/28。ドコモの場合は1と3と19が合致するので、いわゆるプラチナバンドである800MHz帯はもちろん、2GHz帯、1.8GHz帯が使える。
そして、auは1と18が合致。18はauのプラチナバンドの800MHz帯で、最もLTEのエリアが充実しているため、これに対応するZenFone 3はauで使った場合でも、広いエリアで安定して使うことができる。
また、ソフトバンクも1と3と8の3つが使えるので、これもエリアを十分に活用することできる。
実際にドコモとauネットワークを使っているが、エリアの穴がないばかりか、au側のネットワークでは常に“バリ4”。ZenFone 3ではアンテナマークは最大4本なので、どこに行ってもフル表示という状態だ。
残念ながらドコモの場合は1~2本という状態がたまにある。
SIMスロットに名称を付けて区別できる
名称が付いたので区別が容易。同じドコモのネットワークだが、OCNとLINEで区別
格安SIMであっても、携帯電話ネットワークを提供元の通信事業者の表示がされる。そのため、ドコモネットワークのSIMを2枚挿入していると、どちらがどちらかわかりにくいこともある。「設定」ではSIMの持つ電話番号が確認できるが、電話の発信時ではそうもいかない。
そこで、各SIMに「名称」を付けて区別することができる。これも設定から「デュアルSIMカード設定」を開くことになるが、SIMカード情報をタッチすると「名前の変更」となり、名称を設定できる。ここに格安SIM事業者の名前などを入れておけば、間違うことがない。
着信時も名前が出る。設定したdocomoと表示された
音声通話発進時もどちらかのSIMで発信するか選べるが、そこは設定した名称になる
特に便利なのは、音声契約のSIMが2枚ある場合で、電話の発着信時にもこの名称が表示されるので区別がしやすい。
なお、この名称の設定は、単にSIMカードを差し込むスロットに対しての名前。SIMの位置を1と2で逆に入れ替えたとしても、1、2それぞれに設定した名称はそのままとなる。