通信機器大手ファーウェイが昨年末に通期業績予想を発表し、2021年の売上高を前年比28.9%減の約6340億元(約11兆4000億円)とした。
売上高の大幅な落ち込みには複数の要因があるが、米国政府による禁輸措置が同社のスマートフォン事業や子会社ハイシリコン(海思半導体)の半導体事業に深刻な影響を及ぼしたのは確実だ。
このような事態に対し、ファーウェイの郭平輪番会長は新年の挨拶で、同社が将来的に力を入れていく三つの事業としてクラウドサービス、デジタルエネルギー、スマートカーソリューションを挙げた。
これら三つの事業がファーウェイの未来を担っている。中でもクラウドサービス事業はすでに比較的大きな成果を上げている。コンシューマー向け端末事業部のリチャード・ユー(余承東)CEOはファーウェイが昨年開催した開発者大会で、ファーウェイクラウドの成長速度がクラウドサービス市場で再びトップとなり、市場シェアは世界5位、中国国内2位になったと述べた。また、国内のIaaS(Infrastructure as a Service)市場でもファーウェイクラウドは2位に着け、現在も急成長中だとした。
ファーウェイは急落した業績を挽回するために、新たな成長点を見つけ出すことが急務だ。クラウドサービス事業はその突破口となるだろうか?
クラウドコンピューティングの時代が到来し、ユーザーデータは1台のコンピューターに保存する必要がなくなり、クラウドに保存されるようになった。顧客企業では特定のコンピューターに縛られず、どこからでもデータにアクセスできるようになった。
【次のページ】クラウドコンピューティングとは一種の分散型コンピューティングモデルであり...編集部おすすめ