「ジャパネットたかた」すごい…!
先日、Electrolux(エレクトロラックス)の掃除機を買いました。使ってみて超満足、毎日ルンルンで家を掃除しております。でも、理想の掃除機を手に入れるまでは長い道のりでした。なにせ、白物家電を通販で買う(つまり触らずに買う)のは初めての経験でしたし、掃除機の知識なんて、「キング・オブ・掃除機はダイソン」というくらいしか持ち合わせていませんでしたしね。なので、買い物にあたっては信頼できる人たちの口コミを大いに参考にしました。でも、口コミだけじゃダメだったんです。白物家電を買うには、口コミより先にペルソナを知ることが大事だったんです。
ということで、今回は、私(中川)の初白物家電ショッピング体験を通して、どうすれば消費者とプロダクトのマリッジ・オブ・ヘブンな買い物ができるのか、みなさんと共有したいと思います。参考になる、かしら…?
この冬、私は新たな掃除機を手に入れるべくAmazonのサイバーマンデーセールを楽しみにしていました。
というのも、前回のプライムデーで、予め値下げされると予告されていたElextroluxの掃除機のタイムセールを「寝落ち」というクリティカル・エラーで逃してしまったのです。あわてて別のハンディ掃除機をポチるも、それは工場などで使われる業務用のもので、しかも交換用のパーツだということを知らずに注文してしまい、申し訳ないと思いつつ返品した経緯があります。その経験から、サイバーマンデーには次の独自ルールを決めて挑みました。
1. 慌てない
2. 買えなかったら潔く諦める
3. 小暮ひさのり氏の記事を読む
今回のサイバーマンデーは、ギズモードが総力をあげていろんなアイテムを取り上げました。私は事前にお掃除ライターでもある小暮氏が掃除機特集を書くという情報をキャッチしていました。混沌とするAmazonのセールアイテムの中から厳選した掃除機のみを勧めてくれるのは、自他とも認めるお掃除好きの小暮氏しかいません。私は、小暮氏のお墨付きの掃除機しか買わないと心に決めていました。
今か今かと小暮氏の掃除機記事を待つ私。そして満を持して公開された記事! ざっと目を通すと、やっぱりElectroluxが1番に紹介されていました。私は間髪入れずにポチりました。でもいざお会計という段階になって、価格がちっとも安くなっていないことに気づいました。なんと、私がモタモタしていた隙に売り切れてしまい、正規価格に戻っていたのです。独自ルールに従うならここで引き下がるべき。しかしここで思わぬ誤算が発生しました。
なんと、小暮氏の記事をスクロールダウンすると、場違いなほど安い「ツインバード」が出てきたのです。
小暮氏の説明文を紹介しましょう。
コードが付いていても、スティック型がいいな!という方は、「ツインバード サイクロンスティッククリーナー」がなんと驚きの2960円。ちゃんと吸う掃除機なのに、Dysonっぽいトイ掃除機より安い!世の中よくわからんことになっていますね。
コードなしの開放感は格別ですがこの値段で実用できる掃除機が買えるってのもまた衝撃です。ただし、ヘッド部には回転ブラシが無いので、カーペットの奥のホコリやゴミを掻き出すには不向きかなー。
魅力的です。私の購買欲を刺激ます。最後にチラッと「ヘッド部には回転ブラシが無いので、カーペットの奥のホコリやゴミを掻き出すには不向きかなー。」と引っかかることも書いてありますが、私にはそれより「世の中よくわからんことになっていますね。」の一節が心に突き刺さりました。それになにより、私は「ツインバード」の良さをあるサイトで読んだことがあったんです…。
日本有数の娯楽サイト、私が愛してやまない「ロケットニュース24」で、編集長のGO羽鳥さんが愛機「ツインバード」を紹介していたんです。しかも、2回も!
「ツインバード」の魅力と威力はGO羽鳥さんの記事を読んでもらうとして…、とにかく業界の大先輩であり尊敬する小暮氏と、文章の魔術師であるGO羽鳥氏のふたりが勧めている「ツインバード」は、サイバーマンデー掃除機編の絶対王者のように感じました。ふたりの熱のこもった推し文章を前に、私は完全に自分を見失いました。なんという文章力、なんという宣伝力…! そして、GO羽鳥氏の記事の中でもバッチリ写っていた「ツインバード」の「ワンルームにぴったり!」の文字をまるっと無視して、ポチッたのです。
「ツインバード」が届いた瞬間、私はとんでもない過ちを犯したことに気づきました。というのも、宣伝文句通り「ツインバード」はワンルームにぴったりな掃除機なんです。(←羽鳥氏が書いてた)。そして、ロールブラシがついていない。(←小暮氏が書いていた)。
私の家は築50年近くの2階建て一軒家で、5LDK+サンルームでカーペットの部屋と畳の部屋が混在する作り。つまりワンルームではなく、結構広いわけです。しかし、自分は掃除機を買うまで自分が比較的広い家に住んでいるという感覚はなく、むしろ狭いと思っていました。なんという、骨に染み付いた謙遜文化! 私は、「お家広いね」「いや〜、そんなことないですよ。だってね…」に続く卑下に当たる部分の代わりに、ワンルーム用掃除機をポチってしまったのです。
すでに伝えた通り、私は最終的に「エレクトロラックス サイクロン式スティック&ハンディクリーナー」を買いました。本体だけでなく、オプションもフルでついた状態で。どうしてそれを買ったのかというと、「ジャパネットたかた」が我が家のテレビ画面に降臨したからです。
あれは、お正月休みが終わろうとしていた頃だったと思います。少し遅めの朝ごはんを取っていた頃、唐突に「ジャパネットたかた」の放送が始まりました。その日の目玉商品は、「エレクトロラックス サイクロン式スティック&ハンディクリーナー」とスチームアイロン「スチームQ」の福袋。お値段は税込で2万円程度でした。
私は普段テレビを見ませんが、「ジャパネットたかた」の存在は知っていました。しかし、生活感あふれる家電をまくし立てるように宣伝するご長寿テレビショッピングで、ターゲットは40代以上の主婦という印象を持っていたので、自分がそこで売られているアイテムに飛びつくなんて想像もしていなかったのです。
ところが、放送が始まるや否や、心に染み渡っていくプレゼンターの言葉の数々。まだ放送は途中だというのに、気がつくと私は「エレクトロラックス サイクロン式スティック&ハンディクリーナー」と「スチームQ」の福袋(約2万円)を買っていました。
私の身に一体何が起きたのか。それは、届いた掃除機を使ってみてわかりました。私が漠然と描いていた理想の掃除機が、まさにそこにあったのですから。「掃除機をかける」という家事が快楽に変わる日がくるなんて、思ってもいませんでした。それもこれも、「ジャパネットたかた」がターゲットとするペルソナに、私が見事にハマっていたからに違いありません。
私は比較的お財布の紐が硬いつもりです。無い袖は振れないからというのが主な理由ですが、仕事道具以外は、派手な装飾や最先端の機能は求めず、必要最低限の機能がついている堅実的な商品を選ぶ傾向にあります。なので、ダイソンに憧れつつも、ダイソンを迎えたら「家庭内一点豪華主義」になってしまうだろうと思っていました。
そして、他と比較するのが好きではありません。他と比較してしまうと、どうしても自分が選ぶ商品がワンランクもツーランクも劣って見えるので、買った瞬間にワクワクできないからです。また、家族がいて、普段の家事をメインに担う立場で、しかもそのことに多少なりともストレスを感じており、便利なものがあれば良いなとアンテナを張っていました。つまり、度直球に1つだけの商品を主婦層に猛烈アピールする「ジャパネットたかた」が得意とする顧客層だったわけです。
そして、このニーズの合致こそが、私にヘブンリーなショッピングを経験させてくれたのでした。
この経験を通して、私が最終的に伝えたいのは以下のことです。
・白物家電を買う時は、自分の家の規模や家族構成を分析してみる。(パーソナルなガジェットとは違う視点で見ることが大事)
・口コミを参考にするなら、勧めている人のニーズが自分と合致しているのかを冷静に判断する。
・自分がどこの店のペルソナなのかを知る。
普段、私個人が楽しむガジェットしか買ったことがなかったので、白物家電を買う時にこういった注意点や留意点があることを知りませんでした。しかし、それを理解した今なら、熱量高しのレビューも、読み物として楽しむものなのか、自分に直接的に関係しているものなのかを判断できるような気がしています。(でも、ライターさんたちの文章力が凄すぎるので、また何か勢いで買いそうですが…)。それに、自分が口コミやレビューを書く時にも、上の3点を意識した方が良いのだと思いました。
ちなみに、我が家の「ツインバード」のその後ですが、メインで活躍しないものの、2階の納戸の片隅に延長コード付きで鎮座しています。フローリングの部屋をちょっとだけ掃除したいけれど、わざわざ1階リビングまで行きたく無い時に活躍しています。それを考えると、私の買い物は完全に失敗だったとは言い切れません。それに、どちらも推しアイテムだっただけあって、やっぱり性能は良い! 色々あったけれど、どちらも買ってよかったと思っています。
あ、でも最後に付け加えておくと…、私が買った「ジャパネットたかた」の「エレクトロラックス サイクロン式スティック&ハンディクリーナー」は取り替えノズルなどのオプション品と。スチームアイロンがついて約2万円だったんですね。でも、Amazonのサイバーマンデーではオプション品なしの単品販売で1万2000円くらいでした。付属品もスチームアイロンも必要ないなら、サイバーマンデーがやっぱり断然お得なんだと思うんです。
だから、私がいくら「ジャパネット凄い!」といっても、単品だけほしくて急いでいないなら、プライムデーやサイバーマンデーを待って比較してみるのもアリだな、と改めて思います。
長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます。みなさんにも素晴らしい白物家電ショッピング体験が訪れますように!