ニューヨーク州立大学の心理学者アンドリュー・ギャラップ氏率いるチームが科学誌「Biology Letters」で発表した研究によると、哺乳類のあくびの長さと脳の大きさには相関性があるんだそうです。脳のサイズが大きければ大きいほど長いあくびをし、小さいほど短いんだとか。
ギャロップ氏の研究によると、あくびには熱くなりすぎた脳を冷やす機能があるそうです。顎が伸びて脳への血流が増え、深い呼吸により脳の中の温まった血液と心臓から新たに送られてくる冷たい血液が交換され、外気との熱交換が起こるんだそうです。なので脳のサイズが大きければ、より多くの血流が必要だからおのずとあくびの長さが長くなり、さらに高密度なニューロンを持つ脳ならばより長いあくびをするようになるわけです。
ギャラップ氏は、このアイデアをテストするのにYouTubeのビデオのから、あくびシーンをみつけ時間を計りました。対象は人間、アフリカゾウ、セイウチ、ネズミ、うさぎ、ライオン、馬、オマキザル、ゴリラ、犬、猫など19種の哺乳類109個体。その結果、あくびの平均持続時間はネズミは0.8秒、人間は6.5秒、ラクダは予想外に長い4.8秒、犬は何種かテストした結果平均で2.4秒。なにかと犬と比較されがちな猫は1.97秒だったそうです。
また、より長くて力強いあくびには生理作用があり、あくびをするたびに脳の成長を促進させ、脳活動をさせているともギャロップ氏は考えているようです。もしこれが本当なら、会議中にあくびがでちゃっても、「脳活中です!」なんて言いわけができるようになるのかも...。
脳のサイズが大きくて複雑なほど、あくびが長いなんてこと聞いちゃうと、なんだか自分だけじゃなく周りの人のあくびの長さも気になり始めちゃいそう。個人的には短めのあくびが何回も続けて出るパターンってどうなんだろ? と気になります。
image by Lapina / ShutterStocksource: Scientific American
(junjun)