Apple製品で今秋もっともバックオーダーが集中しているのがコヤツ。
9月の新型iPhone、iPad mini、Apple Watch発表に続いて10月の新M1 Pro/Max搭載MacBook Pro発表と新物りんご続々出荷の秋シーズン。こいつは音もなく登場していました。
「去年まで同梱だったのにいきなり別売かよ(しかも高っ…!Amazonベストセラー商品の2倍もする)。こんなのだれが買うんだ、わはは」と米Gizmodoがいじればいじるほど売れるという世にも恐ろしい現象が起こっていて、米Gizは「アップルにヨシヨシ〜と頭をなでられるみたいでマジムカつく」と苦り切ってますよ。
iFixitは分解までやってるし(2枚重ねになっていた)、Twitterにはパロティアカウントができて、eBayでは倍の値で落札する人出現。イーロン・マスクのツイート砲で予約注文数が宇宙に飛び立って、予約は2〜3ヶ月先まで満杯です。
買ってるのはどこのどいつじゃ!
さてこれ何かわかります?
(こたえは12行下)
そうです、画面を拭く布切れ。
普通の布で拭いちゃだめ! nanoレベルの布で拭かないとね、と禁則を敷いて1年、Appleが満を持して別売した布きれがただいま注文数で首位独走中なのだとNew York Timesが大真面目に報じてました。サイズは縦16cm×横16cmあります。
考えてみれば、ポリッシングクロスは…
・笑える
・荒れる
・つい人に話したくなる
…というネットミームネタ3大要素すべてを備えていますからね。よそより高いとはいえ2,000円だし、ネタで買う人もいるんでしょう。
どのみちコロナのサプライチェーンの乱れで世の電化製品は軒並み製造が遅れていて、米最大の貨物港ロングビーチでも人手不足で港の受け入れが追いつかず100以上のコンテナ船が順番待ちでひしめいてる状態です。せっかく予約とっても年末に間に合わせるのが大変!と企業は危機感をつのらせています。折からの半導体不足の影響も深刻で、一部の報道ではAppleもiPadの製造を半分にしてiPhoneに半導体を振り向けることを真剣に考えているんだそう。
そうやって悲鳴を上げてるときにイーロンのひと声でこんな布切れが高値で売れちゃうんだもん。なんかすべてが歪。真面目にやってる人間がバカをみる世の中ってこういうのいうんだなって思ってしまった…。
ちなみに去年27インチiMacをレビューしたときにポリッシングクロスを手にしたCaitlin McGarry編集員に聞いたら「リュクス感はあるけど、それだけかな」と言ってました。だよね…。
せっかく高いお金払ってApple製品買っても3ヶ月先まで拭けないみなさまはどうするんだろ…。この調子だと、次世代クロスも出そうで心配です…。