普段、スマートフォンはさまざまなシーンで便利に活用できるが、海外に出かけたときはさらに真価を発揮する。地図で現在地や経路を確認したり、SNSで日本に居る家族や友だちと連絡を取り合ったり、翻訳アプリで現地の人とつたないコミュニケーションを楽しんだりと、その活用範囲はグッと拡がる。
海外でスマートフォンを使うには、いくつかの方法がある。たとえば、現在、もっとも多くの人が利用している方法としては、海外用のモバイルWi-Fiルーターのレンタルが挙げられる。自分のスマートフォンに特に変更を加える必要もなく、Wi-Fiで接続すれば、簡単に利用できる。渡航先によって、料金は違うが、1日あたり1000円前後で使える上、複数ユーザーの利用にも対応しているので、友だちと2人の旅行で、1台のモバイルWi-Fiルーターをレンタルするといった使い方もできる。
ただ、海外用のモバイルWi-Fiルーターのレンタルは、日数に出発日や帰国日がカウントされる上、レンタルであるがゆえに補償費用などがかかるため、1週間程度の旅行で1万円を超えてしまうことも少なくない。
もう一つの方法としては、本誌の「みんなのケータイ」で筆者自身も含め、ライター諸氏が書くことが多い現地でのプリペイドSIMの購入だ。渡航先によって、価格はさまざまだが、全般的に私たちが普段、国内で利用しているときと変わらないか、少し安い程度の料金で利用できる。
たとえば、先般のMobile World Congress 2018にスペイン・バルセロナで購入したときは、1カ月4.5GBで10ユーロ(約1350円)、6GBで20ユーロ(約2700円)といったパッケージが販売されていた。ただし、プリペイドSIMの場合、販売しているお店を探し、英語や現地の言葉で説明しなければ購入できない上、その携帯電話会社のプリペイドSIMの料金体系などもある程度、知る必要があるため、ややハードルが高い。空港などで販売されていれば、すぐに購入できるが、街中に出て、各携帯電話会社のショップを探し、在庫を求めて、何軒も駆けずり回るということも少なくない。
同時に、SIMロックを解除したスマートフォンを用意しなければならず、渡航先の携帯電話会社の対応バンドなども考える必要があり、なかなか多くの人が手軽に利用できる状況とは言い難い。