名刺のやりとりは、前世紀の遺物のような行為に思えるかもしれません。けれども、名刺とiPhoneを組み合わせれば、連絡先を管理する強力なツールになります。
iPhoneを使った従来のような名刺の送受信は今でも行われています。
けれども最近は、App Storeでたくさんの名刺スキャン用アプリが見つかるおかげで、より効率的に人脈づくりができるようになっています。
では、iPhoneで名刺交換・管理ができる方法をいくつか紹介しましょう(Android対応アプリも紹介します)。
仕事の連絡先情報をいちばん簡単な方法で送りたいなら、電子名刺「vCard」を使いましょう。
まずは、iPhoneの『連絡先』に登録されている自分の情報を、最新の内容に更新します。あとは、次のシンプルな手順に従ってください。
(1)『連絡先』の自分のカードを開き、下にある「連絡先を送信」を選びます。
下の画像を参考にしてください。
(2)すると、vCardが作成されます。
vCardは、ほかのiPhoneユーザーとAirDropを使ってシェアしたり、SMSで送信したり、いろいろな方法でやりとりできて便利です。
それ以外にも、WhatsAppやメール、Slackなどのシェア可能なアプリを使ってシェアできます。
(3)あなたの「カード」を受け取った人は、それを開き、自分のアドレス帳に追加できます。デジタル形式のアドレス帳であれば、どんなものにも登録が可能です。
(4) vCardを受け取ったら、添付されているvCardをタップし、「新規連絡先を作成」を選びます。
その人の情報がすでに連絡先に登録されているけれども、vCardに新しい情報が含まれているという場合には、「既存の連絡先に追加」をタップし、リストからその人の名前を選んでください。
連絡先に自分のvCardを複数作成しておきたい場合は、プライベート用、仕事用など、目的に応じてカスタマイズしましょう。
vCardはシンプルで、十分に事足ります。けれども、名刺&連絡先管理アプリを仕事用ネットワーキングツールのひとつに加えれば、もっといろいろなことができるようになります。
vCardは簡単便利ですが、仕事で使う本物の名刺とまったく同じというわけではありません。
ビジネスのプロフェッショナルは今でも名刺を使っています。名刺は、ブランドのメッセージを伝える手段でもあるからです。
けれども、誰かから名刺を受け取ったときに、その内容を手動でせっせとiPhoneに入力する必要はありません。
ここで紹介する優秀な名刺管理アプリは、OCR(光学的文字認識)(英文)で名刺の情報を読み込んでくれるので、登録作業はすべてお任せです。
『HiHello Digital Business Cards』(以下、HiHello)は、無料の名刺&連絡先管理アプリです。
名刺を受け取る人のiPhoneにこのアプリがインストールされていなくても、問題なく使うことができます。
また、iPhoneとAndroid両方で使用が可能です。名刺交換は、リンクやメール、テキストメッセージで行います。相手がiPhoneユーザーなら、AirDropで直接シェアしてもいいでしょう。
名刺を簡単にシェアできるもうひとつの方法が、HiHello独自のQRコードです。たいていのモバイル機器では、カメラを使ってこのQRコードをスキャンできます。
読み取られた情報は、連絡先リストにそのまま追加されます。
HiHelloでは、iPhoneのLive Photosや動画を使った美しい名刺も作れます。名刺の電子版をいくつも作成しておき、ネットワーキングのチャンスがあるたびに使ってみてください。
ダウンロード:HiHello Digital Business Cards for iOS | Android(無料)
海外に多くの顧客をお持ちですか?ならば、ABBYY社が開発した『Business Card Reader』がいちばんです。
このアプリに搭載されているOCRソフトウェアは、25言語で書かれた名前や企業名、電話番号、メールアドレスを認識します。1枚の名刺につき、3言語まで読み取り可能です。
名刺情報は、精密なエッジ検出により、スムーズにiPhoneにインポートされます。スキャナーが細々とした背景のノイズを取り除き、クリーンな画像を取り込んでくれます。
このアプリには、欠けた情報を補う独自の機能があるので、電話番号の国番号が紙の名刺に書かれていない場合でも大丈夫。
また、連絡先に登録された人がFacebookやLinkedInのアカウントを持っている場合は、そのプロフィールに接続してすべての情報を一カ所に集約してくれます。
データは、iPhoneの連絡先か、アプリ自体にデジタル保存されます。
名刺の情報は、画像として、またはメールやvCardでシェアできます。広告が掲載される無料版は、保存できるのは名刺10枚です。有料プランに入るとプレミアム版にアップグレードできます。
ダウンロード:Business Card Reader for iOS | Android (無料。アプリ内課金あり)
『CamCard -Business Card Scanner』アプリは、読み込みが速い人気のスキャナーで、名刺を1枚ずつデジタル化したり、まとめてスキャンしたりするのに便利です。16言語に対応しています。
大規模なネットワークを管理したいときには、連絡先にちょっとしたメモやリマインダーを追加できます。
転職や昇進の際には、ネットワークに登録されている全員に知らせることができます。このアプリを使っているほかの人も同じことができます。
CamCardでは、名刺をカスタマイズして作成し、SMSやFacebook、WhatsAppなどを介して送信することができます。
一度に大勢の人に会ったときは、名刺レーダーやQRコードのスキャン、プライベートグループを使うと、名刺交換がすばやくできます。
CamCardでは、名刺データがクラウドで安全に保存されており、必要に応じでさまざまなデバイスから情報にアクセスできます。
無料のLite版は広告が掲載され、スキャン数に制限があります。月額か年額の有料バージョンにアップグレードすればビジネス会員として利用が可能です。
ダウンロード:CamCard for iOS | Android(無料。アプリ内課金あり)
誰もが名刺と連絡先専用の管理アプリを必要としているわけではありません。不要の場合は、代わりに次の2つの方法を検討してみましょう。
多用途のスキャンアプリ『Microsoft Office Lens』には、名刺専用のスキャンモードがあります。
この名刺モードは、名刺の端を検知し、写真を撮影して位置を補正し、iPhoneの写真ライブラリや、マイクロソフトのノートアプリ『OneNote』に保存します。
『OneNote』では、OCRで連絡先の詳細が抽出されます。抽出した情報を、連絡先ノートに保存するオプションもあります。
優れたエッジ検出技術により、名刺の写真はとてもクリア。名刺モードは英語、ドイツ語、スペイン語、簡体字中国語に対応しています。
ダウンロード:Microsoft Office Lens for iOS | Android(無料)
『Evernote』の名刺スキャンは、Evernoteプレミアムの機能です。(無料プランでは、名刺5枚をお試しでスキャンできます)
iPhoneでEvernoteを起動し、ホーム画面下部の大きなプラス(+)ボタンを長押ししてカメラアイコンを選ぶと、名刺の写真を撮ってノートとして追加できます。
背景とコントラストがあるかたちで名刺を画面におさめると、Evernoteが名刺の寸法を認識して写真を撮影し、名刺に含まれるデータを抽出します。
スキャンされた名刺はすべて、「名刺」ノートとして保存されます。連絡先情報は名刺の写真付きで表示され、加えたい情報があれば追加も可能です。
あとでその人に連絡を取りたいときは、Evernoteリマインダーを設定しましょう。
自分の名刺は、連絡先に登録されたアドレスにメールで送信できます。
Evernoteには、スキャン専用アプリ『Evernote Scannable』もあります。
自分のEvernoteビジネスアカウントからログインすれば、あとは好きなだけスキャンが可能です。
人気のモバイル用スキャンアプリには、名刺のスキャン機能(英文)が標準搭載されるようになったので、選ぶのに困るほどでしょう。
ダウンロード:Evernote for iOS | Android (無料。有料サービスあり)
優れたデザインの名刺は、強力なアピールポイントになります。ここで紹介した連絡先管理アプリがあれば、自分の好きなやり方で名刺をカスタマイズすることができます。
とはいえ、良好な関係を築くには、最初の握手を終えたそのあとが肝心です。
プロフェッショナルが知っておくべきネットワーキング術がこちらの記事(英文)で紹介されているので、参考にしてください。
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Image: Shutterstock,MakeUseOf
Original Article: 6 Ways to Send and Receive Business Cards on iPhone by MakeUseOf