Androidで、いま最も勢いのあるメーカーと言えば、中国の「Xiaomi」が挙げられます。最近の調査では、Samsungを追い越して中国でトップになるほどの勢いです。Xiaomiの年間成長率は、240%と驚異的な数字を残しています。
Xiaomiが開発しているのは端末だけではなく、AndroidをベースにしたカスタムROM「MIUI」も開発しており、自社端末にインストールしています。
最新版はV6で、最新端末の「Mi4」と同時に発表が行われました。Xiaomiが人気なのは、高性能な端末を手頃な価格で提供している点が挙がりますが、このMIUIにもあるはずなので、使い勝手などをレポートします。評価したMIUIのバージョンは4.8.1で、V5と呼ばれるものです。ベースとなっているAndroid 4.2.2を感じさせる部分も残っていますが、独自実装の部分を中心に紹介していきます。
MIUIは、独自のホーム画面アプリを搭載しています。Android標準のホーム画面は、使いづらいことはありませんが、ドロワーとホーム画面の関係がわかりづらいので、戸惑う方も多いはずです。MIUIのホーム画面には、ドロワーがなくiOSのホーム画面のような造りです。グループ化やアプリアイコン長押しでのアンインストールなど、最近のトレンドは押さえられており、過不足ない造りです。また、目新しくはありませんが、通知エリアでWi-FiやBluetoothのオン/オフができるなどの工夫もされています。
MIUIには、多くの設定項目があります。どれも使い勝手に配慮したものばかりで、過不足なく実装されています。
たとえば、「Do Not Disturb(おやすみモード)」のように、携帯電話が生活に密着した製品になっているからこその、あるべき機能が搭載されています。他にも「画面オフにしてから数秒後に画面ロックする機能」は、画面オフの直後であれば、ロック解除操作をせず、すぐ使えるので便利な機能です。セキュリティ関連では「アプリ実行にパスワード認証する機能」もあります。個人情報を取り扱うアプリに設定すれば安心して使えます。
Xiaomiが運用するクラウドサービスがシステムに統合されています。iCloudのようなものと説明するのが一番わかりやすいと思います(与えられるストレージが5GBというところも同じです)。機能的には、連絡先やSMS、発信履歴などのクラウドサービスと同期できます。バックアップもできる気の利きようです。
他には、『Security』という名のアプリがあり、これでは、不要なファイルを削除する機能やウィルススキャン、アプリごとのパーミッションを確認/設定できる機能などを持っています。いずれも似たアプリがありますが、インストールする必要があるので、買ってすぐ使えるのはうれしい配慮です。
Settingsアプリの「Language & input」には、「Japanese」がなかったので、「English」を選択して使っています。日本語入力は、MIUI Marketで公開されている『Simeji』を使います。フォントは、中華フォントですが、Androidがベースになっているので表示/入力ともに問題ありません。
意地悪な見方をすると、MIUI V5は、Androidのスキン違いともいえます。独自の世界観で構築されていますが、どことなくiOSコンプレックスを感じる部分があります。それでも中途半端ではなく、アプリの隅々まで世界観が徹底されており、操作感もチグハグなところがなくわかりやすい造りです。
また、たくさんの機能がありますが、水増ししただけのようなものはなく、使い勝手に配慮され、あってうれしいものばかりです。これだけよくまとまったAndroid端末を手にできるの中国のユーザーをうらやましく思うと同時に、Samsungを追い越してXiaomiがトップになるのも納得です。最新端末が欲しくなりました。
MIUI
(傍島康雄)