オコナー選手のサイン入りスパイクを手にご満悦の栗田栞太朗君
ラグビーのオーストラリア代表BKジェームス・オコナー(31)の神対応が、一人の少年をラグビーの世界につなぎとめた。この話題の主役は福岡市の名門ジュニアクラブ、日本代表選手を数多く輩出している草ケ江ヤングラガーズで楕円(だえん)球を追っ掛けている栗田栞太朗(かんたろう)君(9)だ。 幼稚園の年中からラグビーを始めた栞太朗君は2019年に開催されたW杯日本大会の大分で行われた準々決勝オーストラリア―イングランド戦を観戦した。オーストラリアは敗れたが、試合後、オコナーがスタンドにスパイクを投げ込み、それを偶然にもナイスキャッチしたのが栞太朗君だった。 以来、宝物は大事に飾られていたが、最近になってソフトボールと二刀流で練習していた栞太朗君は、ラグビーに対して自信を失いかけ、やめたいと言い出したという。 そんな折、オーストラリア代表が今年10月23日に大分で日本代表とテストマッチを行うことが決まり、オコナーもその一員として来日、後半34分から途中出場した。
ジェームズ・オコナー(10月23日の日本代表-オーストラリア戦で)
息子にラグビーを続けてほしいと願っていた父・明生さんは「スパイクにサインを入れてもらい、元気づけたい」と思い立ち、つてを頼って奔走。関係者の尽力もあり、サイン入りスパイクが手元に戻ってきたのだ。 栞太朗君は「マジ!? マジ!? スゲー!」と大感激。完全にラグビーのとりことなり、以来、目の色変えてラグビーの練習に取り組んでいるという。 関係者の話では、オコナーは「そういう事情なら」と快くサインしてくれたという。スーパースターのサインは人の心を動かす。オコナーの神対応、そしてコロナ禍で制限の多い中、見事につながった大会関係者のパスワークが、一人のラグビー少年の心をつなぎ留めた。
中日スポーツ