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スマートデバイスの使い勝手は画面の広さに比例する

書かれた 沿って mobilephonebrand

PCをスマホで使ってもいいじゃないか

過去の世代において、スマートフォンはPCのようなことができるコンパクトなデバイスだった。そのことに興奮して飛びついた。そして共存をもくろんだ。スマートフォンがPCに届かないことを知っていて、それを前提に適材適所で使い分ける。

だが、新しい世代においては違う。スマートライフに必要なデジタル体験のほとんどを網羅したスマートフォンが初めてのPCそのもので、高性能で広い画面を持つノートPCやデスクトップPCは、なくても困らない存在だ。そのなくても困らない感が悩ましい。

日本では、子どものPC使用率がかなり低いレベルで推移しているようだが、GIGAスクール施策などで多少は改善されていくのだろうか。本当は、PCがなければ宿題をするのも大変になるくらいの状況に追い込まないと、将来的に大ごとになる危惧もある。

スマートデバイスの使い勝手は画面の広さに比例する

かといって、いきなりハードウェアとしてのPCを必須にしてしまうのは、もう難しいだろう。ならば、スマートフォンに大きなディスプレイを繋いで使うことを想定するのがよさそうだ。ちょうど、ノートPCに外付けディスプレイを接続して画面を拡張するようなもので、コスト的にも低い。最悪の場合、家庭用のTVを使うという手もある。

Windows 365のようなサービスで提供される仮想マシンがそこから使えればなおいい。ベンダーによって異なるシェルのデスクトップ作法よりも、標準的なデスクトップが手に入る方がよさそうだ。

スマートフォンしか手元にないけれども、大画面でPCを使えるという環境は、今の状況を少しは変えていくための現実的な解になるかもしれない。Microsoftは学生や教職員向けに各種の無料施策を提供しているのだから、そこにWindows 365を加えてくれればとも思う。

iPhoneにしてもAndroidスマートフォンにしても、外付けディスプレイに直結してミラーリングができるだけで、仮想マシンを使うデバイスとしては十分な力を持っている。PCを使い始めるための敷居としてはかなり低いものになる。

ただ、ケーブル1本で外部ディスプレイに接続できるものは意外に少ない。iPhoneでは「Lightning - Digital AVアダプタ」のような製品を使えばいいが、Androidの場合、無線でMiracastするしかない機種も少なくないのはちょっとやっかいだ。

このあたりの事情さえ解決すれば、色々な事情が改善されるのではないか。適材適所でデバイスを使い分けるのが難しいなら、1台のデバイスをハイブリッドに駆使することで、未来が見えてくるように思う。

楽観的かもしれないが、ノートPCやスマートフォンは自転車のようなもので、いったん使いこなしがヘタになっても、そして長期間使わなくても、すぐに元通りに使えるようになる。だからこそ、スマートフォンがあれば困らない層にも、大きな画面で得られる怠惰の魅力を知ってほしいと思う。

小さな画面から大きな画面へのシフトの方が負担は小さい。そしてそれがローカルで使うフルスペックPCの所有欲に繋がればなおいい。ハードウェアメーカーにとっても悪い話ではあるまい。