コスパに優れたスマートフォンを次々と送り出しているXiaomiですが、折りたたみディスプレイ搭載の「Mi MIX Fold」や、アンダーディスプレイカメラを採用してインカメラが見えない「Xiaomi MIX 4」など、技術的に進んだ製品も海外では展開しています。Xiaomiのラインアップはメインモデルの「Xiaomi(旧Mi)シリーズ」、高いコスパを誇る「Redmiシリーズ」、そして折りたたみなど最新技術を搭載する「MIXシリーズ」の3つのラインがあります。
この3ラインに新たに加わったのが、2021年10月に発表された「Civi」です。最大の特徴はデュアルフロントライト。ターゲットユーザーは女性で、製品発表会では端末のセルフィー機能が大きくフィーチャーされました。
Xiaomiの新しいシリーズ「Civi」。フロントに2つのLEDライトを備えるプロセッサはSnapdragon 778G、6.55型ディスプレイは側面をカーブさせたエッジ形状、クアッドカメラを搭載しています。スペック的にはミドルハイレンジクラスの製品ですが、セルフィー機能に特化した製品でもあり、ターゲットユーザーは限られた層を想定しているようです。中国での価格は2599元(約4万6000円)。今のところグローバル展開の予定はないようです。
ミドルハイレンジクラスの製品だ側面はフレームをややゴージャスな色合いとしています。電源キーとボリュームキー部分もエレガントな曲線で囲ったデザインにしていますが、これはXiaomiの他製品、例えば「Mi 11 Lite 5G」なども採用しており、Xiaomiの最近のデザイントレンドなのかもしれません。
側面デザインもエレガントに感じる本体のカラバリは3色で、それぞれ上品な仕上げ。今回触ったブルーは光沢を抑えつつ、グラデーションが美しく流れる処理を施しています。他にパステル系の色をベースに花びらをイメージしたかのようなピンク、星がちりばめられているようなブラックもあります。
表面層を細かく削り、光沢を出しながらもつやを抑えた仕上げカメラは6400万画素と800万画素超広角、200万画素マクロの3つ。人物撮影を考えた製品であればボケようの深度測定カメラを搭載すべきなのでしょうが、Civiが想定しているユーザーのカメラの主な使い道は、インカメラを使ったビューティーセルフィー。肖像画ではなく「美しさを加工感なく際立てた顔写真」を撮る若い女性向けの製品なのです。
6400万画素カメラを搭載するが、Civiユーザーはこの性能はあまり気に掛けないだろうということで、インカメラを使って自撮りしてみました。取りあえずデフォルトで1枚。目のあたりは映えるセルフィーの加工が自動でされています。しかし室内がやや暗いため、顔のあたりもやや暗く全体的にパッとしない仕上げになっています。そこでCiviは室内セルフィー用に強力なフロントライトを搭載しているのです。ライトを呼び出すと4つのメニューがあり、「画面ライト」または「画面ライト+デュアルLEDライト」を利用できます。
室内で撮影したセルフィー。顔がやや暗いこのように全ライトをつけると、画面は自分の顔の部分以外がホワイト表示となり補助ライトとなります。さらに上部左右部分のフレームに内蔵されたLEDライトも光るのです。この画面の状態を見ても顔がかなり明るく写っているのが分かるでしょうか? なお、操作ミスで実際に撮影した自撮り写真が保存できませんでしたが、全ライトによる顔を明るくする効果は分かるかと思います。
画面ライトとデュアルLEDライトをON、顔が明るく写る真っ暗な室内でライトを光らせてみると、かなり明るく照らしてくれることが分かります。最近はポートレート撮影重視のモデルが増えている中、セルフィーにここまで対応したモデルはちょっと珍しいかもしれません。
フロント面を余すことなくライトに使っているといえるそういえば、Xiaomiは2019年に「Mi CC9 Meitu Edition」を出しました。スマートフォン事業を買収したMeituのブランドをつけた女性向けスマートフォンですが、インカメラの自撮り性能はいまひとつでした。それもあってか「CCシリーズ」は3モデル4機種が2019年に登場しただけで終わりました。
Xiaomi「CC9 Meitu Edition」。Meituロゴ入りで発売された果たして、CiviはXiaomiの第4の柱になるのでしょうか? それともCCシリーズのように数モデルで終わってしまうのでしょうか? 2022年に後継機種が出てくるか、気になるところです。