キオクシアの北上工場の第1製造棟
キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)はNAND型フラッシュメモリーを生産する北上工場(岩手県北上市)第2製造棟(K2)の建設を2022年春に始める。23年稼働に向けて土地取得なども順調で、建屋の大きさが主力の四日市工場(三重県四日市市)を含めて同社最大規模になる見通し。ライバルで世界首位の韓国・サムスン電子を追走する。【写真】キオクシアの北上工場 キオクシアの北上工場は第1製造棟(K1)が20年前半から生産を始めており、その隣で土地の造成と追加の用地取得を進めてきた。K2はK1の2倍以上の大きさになる見通しで、導入する製造設備は四日市工場からの移管が中心となる。 四日市工場への設備補充を含めた総投資額は2兆円規模に上る見込み。政府が6日に臨時国会に提出した関連法案に盛り込んだ国内半導体工場建設支援の対象にK2も入る可能性がある。 キオクシアは四日市工場でも新製造棟を建設中で、2期に分けた第1期分の完成は22年春を予定。両工場はそれぞれ急ピッチで増産工事を行う。 ただ、最近の半導体市場が未曽有の活況なため、半導体製造装置や工場用部材の納期が従来と比べて長くなっている。特に、米中対立のさらなる激化を見越した中国半導体メーカーの買い占めが横行し、品不足が深刻化しているという。 日本国内では今後、キオクシアに加えて米マイクロン・テクノロジーや台湾積体電路製造(TSMC)も新工場建設を見込むが、装置・部材不足は今後の計画に支障を来す恐れがある。